「願えばかなう」と信じて頑張ってきたのに、うまくいかない。 そんなとき、自分を責めてしまうことはありませんか。
願うことは大切。でも、願いが強すぎると、かえって心を苦しめてしまうこともあるのです。
この記事では、「願望」が心に与える影響と、 現実と上手に向き合うための方法を、やさしくお伝えしていきます。
「願望」の危険性
よく言われるのが「願えば、かなう」「望めば、達成できる」と、よく言われますよね。
でもこれは実はとても危険な面も持っていて、やり方がズレてしまうと逆効果になってしまいます。
例えば、目標を決めて段階的に計画を立てて、それに向かってコツコツ行動を積み重ねていった場合は、実力も実績も伴っていきます。
ですが、ただ単に大まかなイメージだけで
「お金が欲しい」「ダイエットして痩せたい」「不安障害うつ病を治したい」
と願ったとします。これで願いがかなうと思いますか?
じつは、逆効果の危険性があります。なぜかと言うと、
「お金が欲しい」ということは、現在は「お金がない」ということなので、「お金がない」という現実がより強調されて、潜在意識の不安がさらに増強されてしまうのです。
そこから変化することを嫌う「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」も作動してしまい、現状維持を脳は願うのです。
そしてもっと怖いのは、「『お金が欲しい』と言い続けたいんだね」という解釈を、脳がしてしまうのです。
そうなると潜在意識は、お金がない状態を作り続けて、「『お金が欲しい』と言い続けられる状況」つまり、「お金がない状況」を維持するために脳が働いてしまうのです。
他にもよく言われるのが「幸せになりたい」と願うのではなく、「今もう幸せだ」と感じましょう、「感謝」をしましょう、などと言われますよね。
これも同じなんです。
「幸せになりたい」と願うということは、「今は幸せではない」のだから、不幸な材料や現実を潜在意識が集めてきてしまうのです。
ですので、「不安障害うつ病を治したい」と願ってはいけません。
願うのではなく、「不安障害は、昨日でもう止めました」「うつ病は、今ここで止めました」と、「決断する」「もう好転し始めている」という形にしてほしいのです。
潜在意識は否定形の願望を理解できない
例えば、否定形の願望では、以下のようなものがありますよね。
「貧乏になりたくない」「孤独になりたくない」「病気になりたくない」という願望を持ったとします。
すると脳は、「貧乏、孤独、病気」というキーワードだけが潜在意識に強く残り、それをより強く意識するような情報を集めてしまったり、何度も思い出したりしようと働いてしまうのです。
これでは更に潜在意識がネガティブに染まってしまい、もっと苦しくなっていき、悪循環から抜け出せなくなってしまいます。
ですので、まずはポジティブな形に言い換えることです。
例えば「病気になりたくない」であれば、「健康でいたい」に変換したほうがポジティブなわけですが、それだけではダメなのです。
先ほどの項で『願望の危険性』をお話しましたね。
「健康でいたい」と願うと、「病気の不安がある」という現実がより強調されて、潜在意識の不安がさらに増強されてしまうのです。
そこから変化することを嫌う「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」も作動してしまい、現状維持を脳は願うのです。
そしてもっと怖いのは、「『健康でいたい』と言い続けたいんだね」という解釈を、脳がしてしまうのです。
そうなると潜在意識は、「病気の不安がある」という状態を作り続けて、「『健康でいたい』と言い続けられる状況」つまり、「病気の不安がある状況」を維持するために脳が働いてしまうのです。
これは本当に恐ろしいことなのですが、実際にそう働いてしまうのです。
では、どうすれば良いか。
まずは、『否定形からポジティブな形に言い換える』こと。
そしてそこに、『期限や具体的な数値目標も入れて、現在進行形で取り組んでいる。それができる現状に感謝している』という表現にするのです。
例えば、
『90歳まで元気で動ける健康を維持し、大好きな畑仕事をし、野菜を美味しく食べたり、人々に配って喜んでもらう。そのために、食事・運動・睡眠を整えています。野菜を育てる勉強を続けています。それができる現状に感謝しています。』
という表現にします。
またそれは一つではなく、二つでも三つでも良いです。そしてそれを紙に書いて、見える場所に置いておきます。
(※具体的なワークの方法は、本書で詳しく解説いたします)
それを毎日見ることで、ポジティブな潜在意識を保つことができます。
感謝しないと潜在意識は変わらない
例えば世界の中で生活環境を比較した場合、日本は世界の中で見れば、とても恵まれています。
日本で暮らしていれば、なんとか衣食住は保てます。発展途上国や戦争地域では考えられない、平和と豊かさがあります。
「そんなキレイごとは聞きたくない、自分は今、苦しくてしかたがないんだよ!」と反論されたい気持ちも良く分かります。私もそうでした。
ですが、日本人の環境が恵まれていることは事実ですので、やっぱりそれは感謝して幸せを感じてほしいのです。
一時的でも、ちょっとだけでも良いのです。
「目が見える、耳が聞こえる、手が使える、足で歩ける、思考できる脳もある、時間もある、住む家がある、着れる服がある、食べ物がある、電気・ガス・水道・ネット環境がある、情報もある」
「いろんなことができる環境がある。あるものに集中し、感謝し、幸せを感じる。」
それを感じた瞬間に、本当に潜在意識が変わっていきます。
「アレが無い、コレが無い、アレが欲しい、コレが欲しい・・・」
「無いものを渇望し、執着し、そこに意識がいってしまうから」、いつまで経っても幸せを感じられないのです。
オカルトでもなく宗教でもなく、現実として潜在意識はそのように働いてしまうのですから、それを知って上手く使っていかないと治りません。
逆に言えば、それを理解できず、上手く使えなかったから「不安障害・うつ病」になってしまっていたわけです。
口に出して言ってください。
「不安障害は好転しました。幸せです。」
「うつ病は好転しました。感謝しています。」
と、口に出して言ってください。その声を、潜在意識は確実に聞いています・・・
願望が心を苦しめる理由
「願えばかなう」という言葉は、希望を与える一方で、現実とのギャップに苦しむ原因にもなります。強く願っても叶わないとき、人は「自分が足りないからだ」「努力が足りないからだ」と自分を責めてしまいがちです。
これは、自己否定や無力感を生み、メンタルヘルスに悪影響を及ぼします。
たとえば、「理想のパートナーと出会いたい」と願っている人が、何年も出会えないままだと、「自分には魅力がないのでは」と感じてしまうことがあります。
願望が強ければ強いほど、叶わなかったときの落差は大きくなり、心に深い傷を残すのです。
願望と現実のギャップが生む危険性
願望は本来、未来への希望や行動の原動力になるものです。しかし、願望が「現実逃避」や「依存」に変わると、逆に人生の停滞を招きます。以下のような危険性が指摘されています。
・願うだけで行動しない → 成果が出ず、自己効力感が低下する
・願望に執着しすぎる → 他の可能性を見失う
・叶わない願望に固執する→ 挫折感や絶望感が強まる
・願望が叶わないことを自己責任と捉える → 自己否定が加速する
このような状態が続くと、うつ症状や不安障害などのリスクも高まります。願望は、使い方を誤ると心の健康を損なう要因になり得るのです。
「願えばかなう」の誤解と心理的メカニズム
「願えばかなう」という考え方は、自己啓発やスピリチュアルの世界で広く語られていますが、心理学的にはいくつかの誤解が含まれています。願うこと自体に意味がないわけではありませんが、それだけでは不十分です。
心理学では、以下のようなメカニズムが関係しています。
・自己成就予言(ピグマリオン効果):「自分は成功する」と信じることで、行動が変わり、結果も変わる
・プライミング効果:繰り返し思い描いたイメージが、無意識の行動に影響を与える
・RAS(網様体賦活系):脳が意識した情報を優先的に認識するため、願望に関連する情報が目に入りやすくなる
これらの効果は、願望と行動がセットになっている場合に機能します。つまり、「願うだけ」ではなく、「願って行動する」ことで初めて現実が動き始めるのです。
願望に依存すると起こる心理的副作用
願望に過度に依存すると、以下のような副作用が起こることがあります。
・現実を直視できなくなる
・失敗を受け入れられなくなる
・他人の成功と自分を比較して落ち込む
・「叶わない自分」に価値がないと感じる
たとえば、「起業して成功したい」と願っている人が、何度も失敗すると「自分には才能がない」と思い込んでしまうことがあります。願望が強すぎると、失敗を学びに変える余裕がなくなり、自己否定に陥りやすくなるのです。
健全な願望との付き合い方
願望を健全に扱うためには、以下のような視点が重要です。
① 願望は「方向性」として使う 願望は、人生の羅針盤のようなものです。目的地を示すだけでなく、そこに向かう道筋を考えることが大切です。
② 願望を「行動目標」に変換する 「理想の仕事に就きたい」という願望を、「週に3回求人をチェックする」「月に1回スキルアップの勉強をする」といった具体的な行動に落とし込むことで、現実的な成果につながります。
③ 願望の「柔軟性」を持つ 願望が叶わなかったときに、別の道を探せる柔軟性を持つことが、心の安定につながります。「この道しかない」と思い込まず、「他にも可能性がある」と考えることで、挫折を乗り越えやすくなります。
願望を活かすための実践的ステップ
願望を現実に活かすためのステップを、以下にまとめます。
・願望を紙に書き出す(視覚化)
・それを達成するための小さな行動をリスト化する
・週単位、月単位で進捗を確認する
・失敗や停滞も記録し、感情を整理する
・必要に応じて願望の内容を見直す
このように、願望を「行動に変える仕組み」を作ることで、現実とのギャップを埋め、心の安定を保つことができます。
願望に振り回されないために
願望は、人生に希望を与える力を持っています。しかし、それに振り回されてしまうと、現実とのギャップに苦しみ、心が疲弊してしまいます。
大切なのは、「願えばかなう」という幻想に頼るのではなく、「願って、動く」ことです。
そして、願望が叶わなかったとしても、それはあなたの価値を否定するものではありません。むしろ、そこから新しい可能性を見つける力が、あなたには備わっています。
まとめ:願望は「道具」であり「答え」ではない
「願えばかなう」という言葉に振り回されるのではなく、願望を人生の道具として使うことが、心の安定と成長につながります。
願望は、あなたの未来を照らす灯りであり、進むべき道を示すコンパスです。
その灯りを頼りに、決断し、現実的な一歩を踏み出すこと。
それが、願望を本当に活かす方法なのです。
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