「頑張らなきゃ」と思うたびに、心が少しずつ疲れていく。 そんな感覚に、あなたも気づいているかもしれませんね。
まじめで優しい人ほど、自分を責めるように頑張ってしまいます。 でも、無理を続けると、心は静かに悲鳴をあげてしまうのです。
この記事では、「頑張らなきゃ」が心に与える影響と、 少しずつ楽になるための方法を、やさしくお伝えしていきます。
「頑張らなきゃ」を禁止にするマイルール
「頑張らなきゃ」と思っても、体が動かない、頭が働かない、という経験があると思います。
そして、そんな自分が嫌いになり、「情けない、怠け者だ、弱い人間だ」「なんでこんなに自分はダメな人間なんだ!」と責めたりしてきたと思います。
なぜこのような現象が起きるかというと、過去に、「頑張ったけど良い結果が出なかった」という経験を積み重ねた結果、潜在意識に刷り込まれてしまって、
「頑張っても意味がない、エネルギーの無駄、傷つくだけ」ということを、学習して思い込んでしまっているのです。その結果、体も頭も動けなくなって、更にそんな自分を悲観して、二重に苦しんでしまうのです。
私たちは子供のころから、親や学校や職場で言い聞かせられ続けてきました。
「頑張って勉強しなさい」
「頑張って運動しなさい」
「頑張って嫌いな物も食べなさい」
「頑張って早起きしなさい」
「頑張ってこの仕事のノルマを達成しなさい」
と言われて、それをこなそうとするわけですが、元々が本当に自分がやりたい事だったわけではないので、嫌々頑張っても良い結果が出ないのは当たり前なんです。
いっぽうで、プロのアスリートや芸人さんなどを見た時に「あの人、頑張っているし、良い結果を出してスゴイね~」と思ったことがあると思います。
この違いは何だと思いますか?
違いは、「頑張らなきゃ」という意識が、そもそも無いからです。
例えばプロのアスリートで、
「毎日の練習が、嫌で嫌でしかたがないです。でも頑張らなきゃという思いでやってます。」
などと言う人で、良い結果を出している人は一人もいません。
「上手くなるのが楽しくて、良い結果を出すのが楽しくてやっている」
という強い欲求で、やっているわけです。
そして、「自分で選んだ道」という「自己決定感」があります。
この「自己決定感」がある場合は、もし失敗したとしても精神的なダメージはほとんどなく、むしろ「どうやったら上手くいくのか」を強く考えるようになるのです。
さて、以上のような話をすると、次のように思う方もいらっしゃると思います。
「そんなの知ってますよ、だから自分も前向きに考えようとポジティブになる方法を勉強してきたんです。でも上手くいかないんです。」
という方もいらっしゃると思います。
なぜ上手くいかないのか?
「前向きに考えるように、頑張る」から上手くいかないんです。
「頑張らなくて良い、頑張っちゃダメ」という、逆の意識を持つようにしましょう。
「頑張ることを禁止する」つまり「頑張る」という選択肢を無くしてしまうと、潜在意識は何を考えるかというと、
「嫌々頑張らなくても出来る方法がないか」
「嫌々頑張らないで、楽に効率良く、同じ結果が出せる方法がないか」
「嫌々頑張らなくても、楽しくできる方法がないか」
を自然と考えるようになるのです。一見、ネガティブなアプローチですが、「頑張らなくて良い」「頑張っちゃダメ」「嫌々やらなくて良い」「頑張ることを禁止する」と、ものすごく心が楽になります。
この「心が楽になる」という現象が、とても重要なのです。「心が楽になる」ということは、その瞬間だけでも「楽観主義になれているから」です。
その瞬間だけでも、物事を楽観的に、前向きに考えられるようになります。その繰り返しで、潜在意識も少しずつ書き換わっていくことができます。
ということで、無理に「楽観的に考えよう、ポジティブになろう、前向きに考えよう」とするのではなく、あえて逆からアプローチすることで、意外と良い効果が得られるという考え方でした。
体も頭も動けなくなって、更にそんな自分を悲観して、二重に苦しんでしまう場合は、「頑張らなくて良い」「頑張っちゃダメ」と自分に言ってあげてください。
これは決してオカルト的な話でもなく、おまじないでもなく、潜在意識が実際に上手く機能してくれる方法なのです。
無意識の潜在意識は、脳の95%も占めていて、さらに処理能力は顕在意識の100万倍も高いと言われています。
潜在意識に逆らうことはできませんし、上手く使っていくことで幸せな人生を送ることができるのです。
参考→あなたの思考や行動を支配している『潜在意識』を書き換える方法
「頑張らなきゃ」が心を苦しめるとき
「頑張らなきゃ」と思う気持ちは、とてもまじめで、責任感のある人ほど強く抱きやすいものです。誰かに迷惑をかけたくない、期待に応えたい、自分をもっと成長させたい。
そんな優しさや向上心から生まれる言葉だからこそ、否定するのは難しいですよね。
でも、その「頑張らなきゃ」が、いつの間にか自分を追い詰めてしまっていることに、気づいていますか?「頑張らなきゃ」と思えば思うほど、心が疲れていく。
そんな経験がある方も、きっと少なくないはずです。
「頑張る」は本来、素敵なこと
頑張ること自体が悪いわけではありません。夢に向かって努力すること、誰かのために力を尽くすこと、それはとても尊い行為です。
けれど、「頑張らなきゃ」と自分を責めるような形で使われると、それは少しずつ心をすり減らしてしまいます。
たとえば、朝起きたときに「今日も頑張らなきゃ」と思って、体が重く感じる。仕事中に「もっと頑張らなきゃ」と自分を叱咤して、休憩も取らずに働き続けてしまう。
そんな日々が続くと、心も体も限界に近づいてしまいます。
「頑張らなきゃ」は、心のSOSをかき消してしまう
本当は「疲れた」「休みたい」「助けてほしい」と感じているのに、「頑張らなきゃ」と自分に言い聞かせてしまうと、その声を無視してしまいます。
心の中の小さなSOSに気づかないまま、無理を重ねてしまうのです。
ある女性は、仕事と家事、育児を完璧にこなそうと毎日「頑張らなきゃ」と自分に言い聞かせていました。でも、ある日突然、朝起き上がれなくなってしまったのです。
病院で「うつ状態」と診断され、初めて自分がどれだけ無理をしていたかに気づいたと話してくれました。
「頑張らなきゃ」は、誰かの期待に応えようとする気持ちから
「頑張らなきゃ」と思う背景には、「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけたくない」「期待に応えたい」といった気持ちがあることが多いです。
特に、子どもの頃から「いい子」でいることを求められてきた人ほど、自分の気持ちよりも他人の目を優先してしまいがちです。
たとえば、職場で「頼りにしてるよ」と言われると、どんなに疲れていても断れず、つい仕事を引き受けてしまう。家族の前では「大丈夫」と笑顔を作ってしまう。
そんなふうに、自分の限界を超えてまで頑張ってしまうのです。
「頑張らなくてもいい」と言われると、戸惑うあなたへ
「そんなに頑張らなくてもいいんだよ」と言われても、素直に受け取れないこともありますよね。
「でも、頑張らなきゃ誰も助けてくれない」「頑張らないと自分の価値がなくなる気がする」そんなふうに感じてしまうのは、あなたがこれまで一生懸命に生きてきた証です。
だからこそ、いきなり「頑張らなくていい」と言われても、心がついていかないのは当然のこと。
無理に手を抜こうとする必要はありません。ただ、「今の自分は、ちょっと疲れてるかもしれないな」と、そっと気づいてあげることから始めてみませんか。
「頑張らなきゃ」ではなく「今はどうしたい?」と問いかけてみる
「頑張らなきゃ」と思ったとき、少し立ち止まって「私は今、どうしたい?」と自分に問いかけてみてください。
眠りたい? 誰かに話を聞いてほしい? 少しだけ泣きたい? その気持ちを否定せずに、そっと受け止めてあげることが、心を守る第一歩になります。
たとえば、仕事でミスをしてしまったとき。「もっと頑張らなきゃ」と自分を責める代わりに、「今日はつらかったね」「よくここまでやったよ」と自分に声をかけてあげる。
そんなふうに、自分をいたわる言葉をかけることができたら、心は少しずつ回復していきます。
「頑張らなきゃ」を手放すのは、甘えではありません
「頑張らなきゃ」と思わなくなったら、自分はダメになってしまうんじゃないか。そんな不安を抱える方もいるかもしれません。でも、それは決して甘えではありません。
むしろ、自分の心と体を大切にするための、勇気ある選択です。
本当に大切なのは、ずっと頑張り続けることではなく、必要なときに立ち止まり、自分をいたわることができる力です。
それがあるからこそ、また元気に歩き出せるのです。
あなたの「頑張り」は、もう十分伝わっています
もし、今あなたが「頑張らなきゃ」と思い詰めているなら、どうか思い出してほしいのです。あなたはもう、十分に頑張ってきました。
誰かに認められなくても、結果が出ていなくても、その努力はちゃんとあなたの中に積み重なっています。
そして、あなたの頑張りは、きっと誰かの心にも届いています。たとえ言葉にされなくても、あなたの存在そのものが、誰かを支えているのです。
まずは、深呼吸から始めてみましょう
今すぐに何かを変えようとしなくても大丈夫です。まずは、深く息を吸って、ゆっくり吐いてみてください。それだけでも、心は少し軽くなります。
そして、今日一日、自分に優しくしてあげる時間をほんの少しでも持ってみてください。温かいお茶を飲む、好きな音楽を聴く、空を見上げる。
そんな小さなことでも、心は確かに癒されていきます。
最後に:あなたは、あなたのままで大丈夫
最後に、どうか忘れないでください。「頑張らなきゃ」と思わなくても、あなたの価値は変わりません。
あなたは、あなたのままで、十分に素晴らしい存在です。
これから少しずつ、「頑張らなきゃ」ではなく「自分を大切にしよう」という気持ちを育てていけたらいいですね。
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