「過去の記憶が、今も心を苦しめる…」 そんなつらさを、ひとりで抱えていませんか。
トラウマは、時間が経っても消えないことがあります。 でも、少しずつ癒していく方法もあるのです。
この記事では、EMDRという心のケア技法について、 やさしく、わかりやすくご紹介していきます。あなたの心が、少しでも穏やかになりますように。
トラウマ解消法EMDRとは何か?心の傷に優しく寄り添う方法
もしあなたが、過去のつらい出来事に今も心を引きずられていると感じているなら、EMDRという方法が少しだけ希望の光になるかもしれません。
EMDRは「眼球運動による脱感作と再処理療法」と呼ばれる心理療法の一つで、トラウマや心の傷をやさしく癒すために開発されたものです。
名前だけ聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、実際にはとてもシンプルで、そして何よりも「安全に心を整える」ことを大切にした方法です。
このページでは、EMDRがどんなものなのか、どんな人に向いているのか、そしてどんなメリットや注意点があるのかを、やさしく丁寧にご紹介していきます。
専門的な話は後ほどにして、まずは「安心して読める導入編」として、あなたの心にそっと寄り添うような内容をお届けします。
過去の記憶が今の生活に影響することってありますよね
たとえば、昔の事故やいじめ、家庭内の不安定な環境、突然の別れなど・・・その出来事自体はもう終わっているはずなのに、ふとした瞬間に思い出してしまったり、似たような場面で心がざわついたりすることはありませんか?
それは、脳がその記憶を「処理しきれていない状態」にあるからです。
EMDRは、そうした未処理の記憶にやさしく働きかけて、脳が自然に「もう安全だよ」と感じられるように導いていく方法です。
無理に忘れさせるのではなく、記憶の持つ「痛み」をやわらげていくイメージです。
EMDRの基本的な流れはとてもシンプルです
EMDRでは、まず安全な環境の中で、セラピストと一緒に「今も心に残っている記憶」を少しずつ見つめていきます。
その際、左右の眼球を交互に動かすような刺激(たとえば、指を目で追う動きや、音の左右交互の聞き取りなど)を使います。
この「左右交互の刺激」が、脳の情報処理を助けると言われています。まるで、夜に夢を見ることで心の整理をしているように、EMDRでも脳が「記憶の再処理」を始めるのです。
これによって、過去の記憶が少しずつ「今の自分にとって安全なもの」へと変わっていきます。
どんな人に向いているの?
EMDRは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された方だけでなく、過去のつらい経験が今も心に影響していると感じる人すべてに向いています。たとえば、以下のような方が対象になります。
・交通事故や災害などの体験が忘れられない
・子どもの頃の家庭環境が今も心に影響している
・人間関係のトラブルで自信を失ってしまった
・突然の別れや喪失で心が止まってしまった
こうした方々が、EMDRを通して少しずつ「過去の記憶との距離」をとれるようになり、今の生活が少しずつ楽になっていくことがあります。
EMDRのメリットとは?
まず一番のメリットは、「言葉にしづらい記憶」にも働きかけられることです。トラウマの記憶は、時に言葉にするだけでも苦しくなるものですが、EMDRでは無理に話す必要はありません。
セラピストが丁寧に寄り添いながら、必要な範囲で記憶に触れていきます。
また、薬を使わずに行える心理療法であることも安心材料のひとつです。副作用の心配が少なく、自然な回復力を引き出すことができます。
さらに、比較的短期間で効果を感じる人も多く、数回のセッションで「心が軽くなった」と感じる方もいます。
気をつけたいことやデメリットはある?
もちろん、すべての人に万能というわけではありません。過去の記憶に触れること自体が不安だったり、セッション中に感情が揺れ動くこともあります。
だからこそ、EMDRは「信頼できるセラピストとの関係」がとても大切です。
また、EMDRは医療機関や専門の心理士によって行われるべきもので、自己流で行うことはおすすめできません。安全な環境と専門的な知識があってこそ、心にやさしく働きかけることができるのです。
実際のセッションはどんな感じ?
たとえば、ある女性が子どもの頃に受けた言葉の暴力が今も心に残っていて、人前で話すことが怖くなってしまったとします。
EMDRのセッションでは、まずその記憶を「今の自分にとってどんな意味を持っているか」を確認しながら、左右の刺激を使って脳の処理を促します。
セッションを重ねるうちに、その記憶が「過去の出来事」として整理され、「今の自分には関係ない」と感じられるようになっていきます。
結果として、人前で話すことへの不安がやわらぎ、日常生活が少しずつ楽になっていくのです。
安心して受けるために大切なこと
EMDRは、あなたの心に寄り添うための方法です。だからこそ、無理に進める必要はありません。「ちょっと気になる」「試してみたいけど不安」という気持ちがあるなら、まずは専門のカウンセラーや医療機関に相談してみることをおすすめします。
あなたのペースで、あなたのタイミングで。心の傷は、急いで癒すものではなく、少しずつやさしく向き合っていくものです。EMDRは、その「やさしい一歩」を支えてくれる方法のひとつです。
では、ここからより詳しく専門的に解説していきます。
トラウマ解消法EMDRとは何か?
EMDR(EyeMovementDesensitizationandReprocessing)は、トラウマの解消や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に用いられる心理療法の一種です。
この治療法は、1987年にアメリカの心理学者であるフランシーン・シャピロによって開発され、その後広く普及しています。
EMDRは、主に過去のトラウマ体験に関連する負の感情や思考、身体的感覚を緩和し、新たな健康的な信念を構築することを目的としています。
EMDRの主要な特徴は、アイ・ムーブメント(目の動き)を利用することです。セラピストが患者に対して左右交互に目を動かすよう指示することで、脳の情報処理が活性化され、トラウマ体験が再処理されるとされています。
この目の動きは、睡眠時のRapidEyeMovement(REM)と呼ばれる状態と関連があり、情報の処理や統合が促進されるとされています。
EMDRセッションは、通常8段階のプロトコルに沿って進められます。以下に各段階を具体的に説明します。
歴史および評価:
初めに、クライアントの適応症状やトラウマの歴史を評価し、EMDRの治療目標を明確にします。
準備:
クライアントと信頼関係を築き、EMDRのプロセスや技術について教育を行います。クライアントのトラウマ体験に対する感情や身体的感覚を探求し、安全なリソースを身につけることが重要です。
評価:
クライアントのトラウマ体験や関連するイメージ、負の信念、身体的感覚を具体化し、それらの強度を評価します。
処理の準備:
セラピストがクライアントに対してアイ・ムーブメントを誘導し、トラウマ体験の再処理に備えます。
デシンセンシタイズ:
クライアントがトラウマ体験を思い出しながら、アイ・ムーブメントを経験します。これにより、負の感情や身体的感覚の強度が減少し、トラウマ体験がより受容可能になります。
インストール:
新しい健康的な信念や感情を育むプロセスで、クライアントに対してポジティブな自己肯定や安全感を強化します。
身体的感覚の処理:
トラウマが関連付けられた身体的感覚や感覚的イメージを処理し、解放します。
クロージング:
セッションの振り返りを行い、クライアントが保持する健康的な感情や信念を強調します。また、次回のセッションの準備をします。
EMDRは、トラウマの解消において効果的な治療法とされていますが、個人によって効果が異なる場合もあります。また、適切な専門家が実施することが重要です。
トラウマ解消法EMDRのメリット
EMDRはトラウマ解消法として広く知られており、数多くのメリットが報告されています。この方法は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や他のトラウマ関連疾患の治療において特に効果的であるとされています。以下に、EMDRの主なメリットを具体的に説明します。
効果的なトラウマ解消:
EMDRは、過去のトラウマ体験に関連する負の感情や思考、身体的感覚を効果的に解消する手法です。アイ・ムーブメントを利用することで、脳の再処理が促進され、トラウマ体験が再構築され、受け入れ可能なレベルに緩和されます。
比較的短期間での効果:
EMDRは、比較的短期間で効果が現れる治療法であるとされています。通常、数回から数十回のセッションで劇的な改善が見られることがあり、他の心理療法に比べて短期間で結果を得ることが可能です。
安全で非侵襲的:
EMDRは非侵襲的な治療法であり、薬物を使用しないため、身体的な副作用や依存症のリスクが少ないです。また、クライアントはトラウマ体験を直接話す必要がないため、治療がより安全に進められます。
トラウマの再体験を最小限に抑える:
伝統的な心理療法では、トラウマ体験を詳細に再体験することが求められることがありますが、EMDRではその必要がありません。アイ・ムーブメントを通じてトラウマが再処理されるため、再体験の負担が軽減されます。
対面やオンラインでの適用が可能:
EMDRは、対面セッションだけでなく、オンラインでの適用も可能です。これにより、アクセスが制限された地域や移動が難しいクライアントにも利用が拡大されています。
継続的な効果の維持:
EMDRを受けた後、多くのクライアントは長期間にわたって持続的な効果を報告しています。一度の治療が後日の日常生活におけるトラウマ関連のストレスや不快感を軽減し、生活の質を向上させる助けになります。
様々なトラウマに対応可能:
EMDRは、単一のトラウマだけでなく、複数のトラウマや様々な種類のトラウマにも対応可能です。戦争体験、事故、虐待、災害などさまざまなトラウマに有効であり、幅広い適用範囲があります。
自己効力感の向上:
EMDRを受けることで、クライアントはトラウマ体験に対する自己効力感を高めることができます。過去のトラウマがもたらす無力感や罪悪感が減少し、自信や自己評価が向上することがあります。
EMDRは、これらのメリットを活かしながら、トラウマ体験を持つ人々の心の健康と幸福の向上に向けて、広く活用されています。
ただし、専門的な指導のもとで実施されることが重要であり、適切なケアとアフターケアが必要です。
トラウマ解消法EMDRの実践方法(概要編)
EMDRは、トラウマ解消法として広く知られており、複雑なトラウマ体験の処理や解消に効果的な方法とされています。この手法は、アイ・ムーブメント(目の動き)を利用して脳の再処理を促進し、トラウマが受け入れ可能な形で統合されることを目指します。以下では、EMDRの具体的な方法を段階ごとに詳しく説明します。
評価と準備:
最初に、クライアントのトラウマ体験や治療の目標を明確にします。適切なトラウマ体験やそれに関連する感情、身体的感覚、負の信念、ポジティブな信念を特定します。クライアントとセラピストは、安全な環境でセッションが進行することを確認し、クライアントのリラックス法や安心感を高める方法を共有します。
アイ・ムーブメントの誘導:
クライアントは、セラピストの指導のもとで目の動き(アイ・ムーブメント)を体験します。典型的には、セラピストが指を左右に動かすように指示し、クライアントはその動きに目を追随します。このアイ・ムーブメントは、眼球の運動と関連付けられている脳の情報処理を活性化させ、トラウマ体験を再処理するのに役立ちます。
トラウマ体験の再処理:
セラピストは、クライアントに特定のトラウマ体験を思い出すように促します。クライアントはそのトラウマ体験を思い浮かべながら、アイ・ムーブメントに従って目を動かします。この過程で、トラウマ体験に関連する感情や身体的感覚、イメージ、思考が再処理され、感情の緩和や新たな視点が生まれることがあります。
双方向性の強調:
セラピストは、トラウマ体験を思い出しながら目を動かすことで、その経験を「前向きな情報処理」に導くことを強調します。アイ・ムーブメントが左右交互に行われることで、脳が双方向的に情報を処理することが期待されます。
セットアップとフローティング:
クライアントがトラウマ体験を再処理する際、セラピストはクライアントにとって適した視点やアプローチを見つけるために、様々な視点を試すことを促します。これをセットアップと呼びます。また、トラウマ体験を思い出した際に起こる感情や身体的感覚が自然に変化する現象をフローティングと呼び、これに焦点を当てます。
再評価とインストール:
セラピストは、トラウマ体験の再処理が進むにつれ、クライアントの感情や身体的感覚が変化する様子を観察し、適切な進行を確認します。その後、新たな健康的な信念や感情をクライアントにインストールする段階に進みます。
身体的感覚の処理:
トラウマ体験に関連する身体的感覚や感覚的なイメージに焦点を当て、それらがクライアントの体験とどのように関連しているかを探求します。これにより、身体的感覚もトラウマ体験とともに再処理され、解放されることが期待されます。
クロージングとアフターケア:
セッションの終了時には、クライアントが安定した状態でセッションを終えられるようにします。また、クライアントがセッション後に安心して過ごせるよう、アフターケアやリラックス法を共有し、次回のセッションに向けて準備を行います。
これらの手順に従って、EMDRセラピストはクライアントのトラウマ体験を再処理し、健康的な認知や感情、身体的感覚を構築していきます。
ただし、専門的なトレーニングと適切な状況判断が重要であり、個々のクライアントのニーズに適したアプローチを選択することが求められます。
EMDRを自分で実践する方法の具体例
EMDRは、トラウマ記憶の処理を促進する心理療法として世界的に認められています。
本来は訓練を受けた専門家の指導のもとで行うべき治療法ですが、軽度のストレス記憶や日常的な不快体験に対しては、基本原理を理解した上でセルフケアとして応用することも可能です。
EMDRの基本理論は、トラウマ記憶が脳内で適切に処理されず「凍結」された状態にあるという考え方に基づいています。
通常の記憶は時間とともに整理され、感情的な強度が低下していきますが、トラウマ記憶は生々しい感覚や強い感情とともに保存され続けます。
EMDRでは、両側性刺激(bilateral stimulation)と呼ばれる左右交互の刺激を与えながらトラウマ記憶を想起することで、脳の情報処理システムを活性化し、記憶の再統合を促します。この過程で、記憶は適切に処理され、感情的な苦痛が軽減されるとされています。
EMDRの理論的背景
EMDRが効果を発揮する神経科学的メカニズムについては、いくつかの仮説が提唱されています。最も有力な説の一つは、両側性刺激がREM睡眠中の眼球運動と類似した脳内プロセスを誘発するというものです。
REM睡眠は記憶の統合と感情調整に重要な役割を果たしていて、EMDRはこの自然な処理メカニズムを意図的に活性化させると考えられています。また、両側性刺激が作業記憶に適度な負荷をかけることで、トラウマ記憶の鮮明さや感情的強度を低下させるという「作業記憶説」も支持されています。
さらに、左右の脳半球間のコミュニケーションを促進し、記憶の統合を助けるという説もあり、複数のメカニズムが相互に作用していると考えられています。
セルフEMDRの準備段階
自分でEMDRを実践する前に、適切な準備が必要です。まず、取り組む記憶を慎重に選択します。初めての場合は、日常的な嫌な出来事や軽度のストレス体験から始めることが重要です。
例えば、職場での気まずい会話、小さな失敗体験、軽度の恥ずかしい思い出などが適しています。命の危険を感じた体験、虐待、重大な喪失体験などの深刻なトラウマには、セルフケアでは対応できません。
次に、安全で静かな環境を確保します。中断されない時間を30分から1時間程度確保し、リラックスできる姿勢で座ります。
また、処理後に気持ちを落ち着けるための「安全な場所」のイメージを事前に準備しておくことも重要です。これは、実在する場所でも架空の場所でも構いませんが、完全に安心できる場所を詳細にイメージできるようにしておきます。
基本的な実践方法
セルフEMDRの基本的な手順は、専門的なEMDRを簡略化したものになります。まず、対処したい記憶を思い浮かべ、その記憶に関連する最も不快なイメージを特定します。
次に、その記憶が現在どの程度の苦痛を引き起こすかを0から10のスケールで評価します(主観的苦痛単位:SUDs)。
そして、その記憶について自分が持っている否定的な信念(「私は無力だ」「私は安全ではない」など)と、持ちたい肯定的な信念(「私は対処できる」「今は安全だ」など)を明確にします。
両側性刺激の具体的方法
両側性刺激にはいくつかの方法があります。最も基本的なのは眼球運動で、目の前で指を左右に動かし、それを目で追います。
具体的には、腕を伸ばして人差し指を立て、顔の正面から左右に20〜30センチメートルほど動かし、1秒間に1往復程度のペースで目で追います。
これを1セットとして、15〜25回程度の往復を行います。
眼球運動が難しい場合は、タッピング法も効果的です。両膝や両肩を交互に軽く叩く、あるいは胸の前で腕を組み、左右の肩を交互に叩きます。
リズムは1秒間に1回程度で、やはり15〜25回程度行います。聴覚刺激を使う場合は、ヘッドフォンで左右交互に音を聞く方法もありますが、専用のアプリケーションや音源が必要になります。
実践の具体例
例えば、「上司の前でプレゼンテーションに失敗した記憶」に取り組む場合を考えてみましょう。まず、その場面で最も不快だった瞬間(例:質問に答えられず沈黙が続いた瞬間)をイメージします。
そのときの感情(恥ずかしさ、不安)と身体感覚(胸の締め付け、顔の熱さ)を確認し、苦痛度を評価します(例:SUDs=7)。否定的信念として「私は無能だ」が浮かび、肯定的信念として「私は学び成長できる」を設定します。
準備ができたら、その記憶のイメージを保持しながら、眼球運動やタッピングを開始します。1セット(15〜25回)行った後、一度止めて深呼吸し、今何が浮かんでくるかを観察します。
新しいイメージ、感情、思考、身体感覚などが現れることがありますが、それをただ受け入れ、評価や分析をせずに、次のセットに進みます。
処理過程で起こること
EMDRの処理中には様々な変化が起こります。記憶のイメージが変化したり(色が薄くなる、距離が遠くなるなど)、関連する他の記憶が浮かんできたり、新しい視点や理解が生まれたりします。身体感覚が移動したり強まったり弱まったりすることもあります。
これらは全て正常な処理過程の一部です。重要なのは、浮かんでくるものに抵抗せず、「電車の窓から景色を眺めるように」観察することです。数セット繰り返すうちに、通常は記憶の感情的強度が徐々に低下していきます。
苦痛度が2以下になるか、それ以上変化がなくなったら、その記憶の処理を終了します。最後に、設定した肯定的信念を思い浮かべながら、数セットの両側性刺激を行い、肯定的な認知を強化します。
注意点と禁忌事項
セルフEMDRを実践する際には、いくつかの重要な注意点があります。処理中に圧倒されるような強い感情が生じた場合は、すぐに中断し、安全な場所のイメージに戻ることが必要です。また、解離症状(現実感の喪失、体が自分のものでない感覚など)が現れた場合も即座に中止します。
セルフケアとして適さない状況としては、診断されたPTSDや複雑性トラウマがある場合、解離性障害がある場合、重度のうつ病や自殺念慮がある場合、物質依存の問題がある場合などが挙げられます。
これらの場合は必ず専門家の治療を受けるべきです。また、妊娠中や心臓疾患、てんかんなどの医学的問題がある場合も、医師に相談してから行うことが推奨されます。
効果を高めるためのポイント
セルフEMDRの効果を最大化するには、いくつかのポイントがあります。まず、規則的に実践することです。週に2〜3回程度、継続的に取り組むことで、より効果的に記憶処理が進みます。処理後は十分な休息をとり、水分補給を心がけます。
記憶の処理は脳にとって負荷の高い作業であり、処理後に疲労感を感じることは正常です。
また、処理の進行を記録することも有効です。各セッションでのSUDsの変化、浮かんできた新しい認知や理解などをノートに記録することで、進捗を客観的に把握できます。
さらに、日常生活でのマインドフルネスや呼吸法の実践と組み合わせることで、全体的な感情調整能力が向上し、EMDRの効果も高まります。
トラウマ解消法EMDRのデメリット
EMDRは効果的なトラウマ治療法として広く認知されていますが、一方でいくつかのデメリットや制限も存在します。これらのデメリットは、個人差や適用時の条件、治療の進行状況によって異なる可能性がありますが、以下に一般的に報告されているデメリットを具体的に説明します。
治療効果の不確実性:
EMDRの効果については、まだ研究が進行中であり、効果の程度や持続性について確固たる結論が得られていない場合があります。一部の研究では効果があると報告されていますが、すべての症例に対して同様に効果的であるわけではない可能性があります。
適用範囲の制限:
EMDRは主にPTSDやトラウマ関連障害の治療に用いられるため、他の心理疾患や問題に対しては適用が制限されています。特定の状態や症状に対しては、他の心理療法の方が適している場合があります。
専門的なトレーニングと経験が必要:
EMDRは専門的なスキルと経験が必要な治療法であり、適切なトレーニングを受けた専門家が行うことが重要です。適切なプロトコルや技術を誤用すると、効果が得られないだけでなく、クライアントに悪影響を与える可能性もあります。
トリガーの過剰反応:
EMDRセッション中にトラウマ関連の記憶や感情が活性化され、クライアントが過剰に反応する可能性があります。これにより、セッション中にクライアントが非常に苦しむ場合があり、適切なサポートと安定化が必要となります。
再体験や強い感情のリスク:
EMDRは、トラウマ体験を再体験することなく処理するという特徴を持っていますが、一部のクライアントはセッション中に再体験や強い感情が起こることがあります。これが適切に処理されないと、治療の進行や効果に悪影響を与える可能性があります。
不適切なトラウマの浮上:
EMDRセッション中に、想定外のトラウマや関連する記憶が浮上する可能性があります。これにより、クライアントが意外なトラウマに直面することがあり、それに対する適切な処理が必要となります。
経済的負担:
EMDRは、セッション数が比較的多いため、他の心理療法に比べて経済的負担が大きい場合があります。長期間の治療が必要なクライアントにとっては、経済的な側面を考慮する必要があります。
これらのデメリットや制限は、EMDRを検討する際に適切な情報収集と専門家との相談が重要であり、適切な治療法を選択する際の参考となるでしょう。
生きる目的を持つことがトラウマ解消法EMDRに与える良い影響力
生きる目的を持つことがトラウマ解消法EMDRの効果をさらに高める良い影響力を持つ重要な要素として挙げられます。
EMDRは、トラウマ体験の再処理と解消を通じて心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの症状を軽減する治療法です。一方で、生きる目的は個人が自分の人生に意味や方向性を見出す基盤となり、心理的な回復や成長に大きな影響を与える要因です。
モチベーションの向上:
生きる目的を明確にすることで、クライアントのモチベーションが高まります。EMDRセッションにおいて、トラウマ体験の再処理や感情の解放が生きる目的に向かって進む一環と捉えられるため、治療へのコミットメントが強まります。モチベーションの向上は、EMDRの効果的な進行や結果に直結し、治療の成果を最大化する要因となります。
自己認識とアイデンティティの強化:
生きる目的を追求する過程で、クライアントは自己認識を深め、自身のアイデンティティを見つめ直す機会を得ます。EMDRを通じてトラウマ体験を処理する過程で、クライアントは過去のトラウマが自己認識やアイデンティティに与えた影響を理解し、その影響から解放されることで自己認識とアイデンティティが強化されます。
将来への展望と希望の構築:
生きる目的を持つことは、将来への展望を構築し、希望を抱く助けとなります。EMDRによるトラウマ解消が進むと、クライアントは過去のトラウマに縛られなくなり、未来に向けてより前向きに、自分らしい人生を築く希望を抱くようになります。
感情の調整とストレス軽減:
生きる目的が明確であると、トラウマ解消を通じて感じる負の感情やストレスに対する耐性が増します。EMDRは感情の解放や再処理を促すため、生きる目的を強く意識することで、これらのプロセスが効果的に進行し、感情の調整が容易になります。
自己成長と強さの発見:
生きる目的を持つことは、自己成長や強さを見出す手助けとなります。EMDRを通じてトラウマ解消が進む過程で、クライアントは自身が克服した困難やトラウマへの対処能力に気付き、これが生きる目的の発見と強化に繋がります。
人間関係の改善と社会的結びつきの促進:
生きる目的を追求することで、自身の価値観や信念に基づいた人間関係が形成され、社会的結びつきが深まります。EMDRを通じてトラウマが解消されることで、人間関係において感じていた信頼や安全に関する障壁が取り除かれ、より健全な人間関係が築かれます。
生きる喜びと充実感の回復:
トラウマが解消され、生きる目的が明確になることで、クライアントは生きる喜びや充実感を再び感じるようになります。EMDRの効果により、過去のトラウマが生活の喜びや充実感を奪っていた影響が薄れ、これらの感情が回復します。
EMDRと生きる目的は相互に補完しあい、治療の効果を強化します。
生きる目的を明確に持つことで、クライアントはEMDRのセッションをより意識的かつ効果的に受け入れ、トラウマからの解放や回復をより意義深く感じることができるのです。
これにより、個人の心の健康が一層向上し、生きる目的への自信と進む力が強化されます。
最後に、あなたへ伝えたいこと
過去の記憶が今も心に影響していることは、決して弱さではありません。それは、あなたがその出来事を真剣に受け止めてきた証でもあります。
EMDRは、そんなあなたの心にそっと寄り添い、「もう大丈夫」と感じられるように導いてくれる方法です。
このページが、少しでもあなたの安心につながりますように。
あなたの心に、やさしい光が差し込みますように。
重要:トラウマの判定チェックから症状・原因・解消法の解説
重要:PTSD心的外傷後ストレス障害の判定チェック・症状・原因・治し方
重要:感情解放セラピーEFTとは何か?目的・効果・実践方法
(当サイトの情報は医療行為に代わるものではありません。詳細は免責事項と注意事項をご確認ください。)






