あなたは今、とても強い不安や恐怖にかられていると思います。
他には、自己否定・自己嫌悪、むなしい、苦しい、孤独感でいっぱい、悲しい、という感情も強いでしょう。
それらの根本原因は何だと思いますか。
「あなたのメンタルが弱いから」ではありませんので、安心してください。
メンタル不調の根本原因は、古代からの自然淘汰(しぜんとうた)の中で生き残ってきた、『不安プログラム』のせいなのです。
まず、「本能的な漠然とした不安」というのは、多くの動物が持っています。
例えば、
天敵の姿が見えた、臭いがした、何かの動く気配がした・・・
この時に、不安を感じて逃げたり隠れたりする性質を持っている者は、生き残っていけます。
反対に、何も感じず、逃げも隠れもしない性質を持った者は、簡単に天敵に襲われて絶滅しました。
他には、「群れから離れる不安」というのは、多くの群生動物が持っています。
群れから離れたら、天敵の的になりやすいですし、集団で食料を得るタイプならば、一人では食べていけませんでした。
他にも、「母親から離れたり・嫌われる不安」というのは、多くの哺乳類が持っています。
生まれた直後から離乳食を食べれるようになるまでは、母親の母乳が飲めないと死んでしまいました。
ですので、母親と離れる時間が長かったり、嫌われてしまうことを極端に怖がるのです。
それでも、文明や技術が発達し、セーフティネットも充実した現代では、上記のような原因で死ぬことは、ほぼ無くなりました。
肉食獣の居ない街に暮らし、一人で仕事もできるし、赤ちゃんは他人からでも粉ミルクを飲ませてあげれば生きて成長できます。
原始時代のような不安は、基本的には必要ないのです。
ですが、そんな生活ができるようになったのは現代だけで、まだ日が浅いですから、人間の遺伝プログラムも、急には変わりません。
大昔は必要だった古代からの遺伝プログラムが、現代を生きるあなたには「足かせになってしまっている」のです。
私はこれを『古代妄想』(こだいもうそう)と呼んでいます。
もちろんこれは私が作った造語であり、堀川用語(笑)になります。
本来は『誇大妄想』(こだいもうそう)であり、意味としては、「実際よりもはるかに大げさに評価して、事実であるかのように思い込むこと」です。
例えば、
感染症、その他の病気、戦争、政治、経済
学校・職場・地域における集団生活
仕事、お金、友達・恋人との関係
家族(特に母親)との関係、両親の不仲
これらのちょっとした不安や悩みが、必要以上に増幅され、思い込みになり、根深く残ってしまうのです。
特に、幼少期の体験・記憶が、その後の人生に大きく影響を受けます。
幼少期ですので、さすがに政治経済などに関心は向きませんので、
多くが「母親との関係」が影響しています。
実際には、母親との関係は悪くないにも関わらず、場合によってはすでに亡くなっているにも関わらず、
「母親に嫌われてはいけない」「母親に認められたり褒められて安心したい」
という本能が、あらゆる不安や思い込みの根本になりえます。
例えば、
「良い会社に入って、お金を稼がないと」
という思いは、一見して自分の意志のように思えますが、
実は、
「一流大学を卒業して、一流企業に就職してくれたら嬉しい」と母親がなんとなく言っていた。
たったその一言が脳裏に焼き付いて、増幅され、義務感や信じ込みになってしまうのです。
母親のささいな一言や意向が、絶大なものに感じてしまうのです。
あるいは、
母親は実際にはそんなことを一言も言っていないにも関わらず、「母親が喜ぶのではないか」と勝手に想像もしてしまいます。
そして、
母親の望むあなたの姿と、本当のあなたは、「違う」のです。
そのギャップが、苦しみ・悲しみ・不安・孤独・むなしさ・怒り・自己嫌悪になってしまうのです。
そしてそれが、うつ病・摂食障害・不安障害・パニック障害・依存症や、いろんな心身の病気を引き起こすのです。(遺伝的な病気は除きます)
本書のワークによって、その「悪い思い込み」を「良い思い込み」に書き換えていただきます。
朝に感じる不安、新しい場所や出来事に感じる不安の正体
不安を強く感じる方の中には、特に朝に強く不安を感じる方が多いです。
また、初めて訪れる新しい場所や、新しい出来事にも不安を感じる方が多いです。
もちろん、「学校や仕事場に行きたくない・人と会いたくない」というタイミングと重なっていることもあって、刷り込み強化されやすい「時刻帯との関連」もあります。
しかしこれも、根本的には、「古代からの人類の脳に書き込まれた不安プログラムが原因」になります。
朝というのは、新しい世界の始まりです。
天気・気温・災害・会う人・会う動物・接触する病原菌やウイルスなどなど、「環境の変化」が起こるわけです。
この環境の変化というのは、今までの慣れた環境とは違う事が起こりえるということですので、それが不安感を引き起こすのです。
安住の地があり、家があり、蓄えた食料があり、住み慣れた環境があるわけですから、そこから変化するのは怖くて当然です。
ということで、
朝という新しい世界が始まる、変化がある、ということに不安を強く感じてしまうのです。
特にそれが、心身にダメージを抱えて疲れ切っている状況なら、なおさらです。
元気ならば、新しく新鮮な世界を楽しめることもありますが、
心身共に不調な時は、どんなにポジティブな人でも、変化は避けたいと感じるものです。