毎日が不安で、心が重く感じる日々が続いているのですね。 そんな自分を責めたり、「どうしてこんなに弱いんだろう」と思っていませんか。
でも実は、その不安や苦しさこそが、あなたが変わろうとしている証かもしれません。
ここでは、そんなあなたの心にそっと寄り添いながら、安心して進むための方法をお伝えします。
キレイごとではなく現実のお話
「毎日成長していることの証」なんて言われてもキレイごとにしか聞こえないよ!と言いたくなりますよね。
でもこれはキレイごとではなく、現実のお話です。
不安がある、悩みがある、苦悩がある・・・そんな中で、あなたは今日も生き切りました。「なんとかなった」わけです。それだけ成長しているのです。毎日成長しているのです。
でも普段は、「毎日が辛いだけ、苦しいだけ」としか感じられなかったはずです。
朝に目覚めた時に、一番辛いと思います。「また辛い一日が始まるのか・・もう嫌だ・・・」
しかし実際は、毎日経験が積み上がっていますよね。生きているだけで、それは経験なのです。それらの経験は、必ず後で役に立ちます。あなたにとって直接的に役に立つかもしれませんし、間接的に誰かの役に立つかもしれません。
そして、あなたの心は、確実に成長しているのです。それに気付いていないだけなのです。
あなたは、昨日も今日も、毎日毎日、成長しているのです。あなたが生きているだけで、すばらしい価値があるのです。それを絶対に忘れずに、明日からも毎日生きてください。
大きな目標や理想を持った場合は、必ず小さな段階を作ること
あなたが「不安症・うつ病になってしまった原因」の一つになっているものがあります。
それは「大きな目標や理想があり、それに対して、今の現実とのギャップが大きすぎる」というものです。
大きな目標や理想があるのは大変すばらしいことであり、それが生きがいや生きる目的になるのは、ものすごく重要です。それがあることで、孤独感や不安感が薄れ、毎日充実した感覚で過ごすことができます。
ただし、理想と現実とのギャップがあまりにも大きすぎると、「頑張っても頑張っても、達成感や前進している感覚が得られず、遠すぎて虚しくなってしまう」という状態に陥ってしまいます。
自己コントロール感や自己肯定感が得られないので、無力感だけが残り、むなしくなってしまいます。
また、今居る地点から、目標や理想の地点までが、あまりにもレベルが高く離れすぎているため、
危険を回避するために、潜在意識のホメオスタシス(現状維持機能)が働いて、わざと不安を感じさせたり「うつ状態」にさせて安全な場所(今居る地点)に引き戻そうと働いてしまうのです。
目標や理想が高いがゆえに、不安症・うつ病を作ってしまっていたのです。
「じゃあ、目標や理想なんて捨てたほうがいいんじゃないのか?」と、投げ出したくなりますよね。
もちろん、変に執着して、しがみつくと苦しくなってしまいますので、変な執着は捨てるべきですが、前述したように、大きな目標や理想が生きる目的や生きがいになれば、孤独感や不安感が薄れ、毎日充実した感覚で過ごすことができます。
ではどうすればいいのか?
大きな目標や理想を持った場合は、今居る地点から、目標や理想の地点までの間に、必ず段階を作って、目標設定を細分化してあげることです。
そして更に、最初の初期段階では、ものすごく簡単な小さなステップにしてあげることです。
例えば、「1億円を貯めてお店を開きたい」という目標があったとしましょう。
でもそれだけで漠然とした大きな目標があるだけですと、今の現実とのギャップが大きすぎて遠すぎるので、前述したように、不安・うつになってしまいます。そこで、段階を作って、目標設定を細分化してあげるのです。
さらに、最初のステップでは、それをものすごく簡単な小さなステップにしてあげるのです。
例えば、「今月は1,000円だけ貯金を増やす」という目標設定にします。
さすがに、1,000円という簡単な設定なら、誰でも貯金できると思います。
そして、「2か月目は2,000円だけ貯金を増やす」という目標設定にします。
これも、そこまで難しくはないと思います。
そして、「3か月目は3,000円だけ貯金を増やす」という目標設定にします。
初回よりは難しくはなってきていますが、頑張れば達成できると思います。
そんなふうにしていくと、「3カ月頑張ってきて、目標を達成できてきた。続けることができた。前進している。」となるので、
「楽しい感覚、前進している感覚、自己コントロール感や自己肯定感、これからも頑張って続けていけそうな感覚」など、ポジティブな感覚がドンドン増えていきます。
お金を例に出しましたが、お金の場合は複利で投資すれば二次曲線的に資産が増えていくのはイメージできると思いますが、実は「人間の能力も複利で高くなっていく」ということが分かっています。
直線的な右肩上がりではなく、最初はしばらく低空飛行が長く続き、そのあとは加速度的に急上昇で上がっていくのです。

ですので、とにかく最初のステップでは、目標を小さく細分化して設定することです。
まったく努力しなくても、誰でも簡単にできるようなレベルに設定することです。
こうすることで、不安・うつになるのを避けることができて、楽しい感覚や前進している感覚を得ながら、充実した毎日を過ごしながら、目標や理想に近づくことができるのです。
これは単なる理想論ではなく、実際に私が体験してきた、重要で効果的な方法です。
「なんとかなった」から、今日まで生きてこれたという事実がある
あなたの今までの人生、不安なことや困難なことも、たくさんあったはずです。
ですが、あなたが今日まで生きてきたということは、「不安なこともあったけど、なんとかなった」から、今日まで生きてこれたわけですよね。
これは100%、事実なわけです。
ということは、これからも不安なことや困難なことがあったとしても、「なんとかなる」わけです。ほぼ全ての事は、なんだかんだ言って「なんとかなる」わけです。
そして、ごくごく一部だけ、「なんともならない」事もあるのです。その時だけ、「これは、なんともならない事だから、素直に受け入れるだけ」と、振り分けるのです。
自問自答を続けると、最終的に、ここにたどり着きます。
ただし、他者から「なんとでもなるもんさ」なんて言われても、「そりゃそうだけどさ、でも不安が消えないんだよ」と思いますよね。
でも大丈夫です。本書の「インナーチャイルドの癒しワーク」を思い出して、「子供の自分」と「親の自分」で何度も自問自答してください。
過去の人生を振り返ってみてください。なんとかなってきたはずです。
もちろん、中身を完璧主義で見てしまえば、100点満点ではなかったかもしれません。
ですが、「なんとかなった」から、今日まで生きてこれたわけですよね。その事実は、事実なのです。あなたは、すばらしい実績を残してきたのです。
生きてきた価値もあるし、これからも生きていく価値があるのです。
今のあなたは、「子供の自分」が現実を直視することを怖がっているだけなのです。
「自分に教え込む」のではなく、過去の様々な出来事をたくさん振り返って、毎日毎日、振り返って、ようやく「自分の中からスルっと出てきたら」潜在意識が変わり始めた証拠です。
そこまで毎日自問自答してください。
「今まで、不安だったことも、なんとかなったから生きてこれた」
「だからこれからも、なんとかなって生きていける」
「なんともならない事だけ、素直に受け入れて、そして忘れる」
この3つのマインドセットは、とても私は好きです。誰かに言われて覚えたのではなく、たくさん自問自答した結果、スルっと出てきた、「自分の中からの答え」だからです。
不安に思ったことが実際に起こる確率は、たったの1%
ある研究機関が行った追跡調査があるのですが、不安に思ったことがその後に実際に起こってしまったかどうかの追跡調査がありました。
その結果ですが、不安に思ったことが、実際に最悪のレベルで起こってしまった確率は、なんとたったの1%だったそうです。(軽いレベルで起こった確率はもう少し高い)
たった1%のために、私たちがどれだけ時間とエネルギーを無駄にして生きているのか・・・
毎日クヨクヨ、ソワソワ、苦しい辛い気持ちで生きて、とてつもない損をしていることが、本当にバカバカしくなってきませんか?
これからは、もうそんな無駄な時間とエネルギーを費やすのは止めにしましょう。あまりにも、人生がもったいないです。
ただし、不安なことが、後で実際に起こってしまうことも、1%あります。私たち人間も生物である以上、最終的な死など、避けられないこともあります。
絶対に避けられない運命は素直に認めて、でもその他の事でクヨクヨ・ソワソワしても、人生の大切な時間とエネルギーを無駄にしてしまうだけですので、そう考えたらクヨクヨ・ソワソワしていることがバカバカしくなってしまうのです。
表面的なポジティブ思考・楽天的思考は逆に危険(失敗をどうとらえるか)
「直ぐに落ち込んだりするネガティブな自分を捨てて、ポジティブになりたい」とあなたは考えていると思います。かつての私もそうでした。
しかしその思考は、実は逆にとても危険であると、私の経験で気が付きました。(他の人を見てもそう思います)
例えば、「投資・ギャンブル・自分でビジネス」をする場合に、失敗して破産する人はどういったタイプの人だと思いますか?
私がネガティブな時は、投資で失敗した際には、落ち込んで疲弊して寝込んでしまっていました。それはとても辛く、苦しい状況です。
一方で、ポジティブ思考の時はどうでしょう。
失敗しても辛いわけでもなく、またすぐにチャレンジして→また失敗して→またチャレンジして・・・の繰り返しをできます。これは、一見すると良い事のように見えます。
確かに、そのチャレンジによって大きなお金や大切な時間を失わない類のものであれば、それはそれで良いわけですが、「投資・ギャンブル・自分でビジネス」という世界においては、そうはいきません。
特に「投資・ギャンブル」で失敗した場合は、大きなお金を一瞬で失うことも普通にあります。それでも積極的に続けて繰り返してしまうのです。
ポジティブな時・ポジティブな人というのは、実は破産しやすいのです。破産して初めて、自分の愚かさや間違いに気づくのです。でも、それではもう遅いのです。
ネガティブなくらいに慎重で謙虚なほうが、物事がうまくいき、自信が付き、幸福感が増していきます。
ネガティブで地味な自分を嫌ってしまう傾向があなたにもあるかもしれませんが、そんな時は本書を思い出してください。
本当の自分を思い出し(ネガティブでも良い)、慎重で謙虚に物事を進めたほうが上手くいきますし、それが自信になり、幸福感で満たされるのです。
不安を感じやすい、あなたは優秀な人
あなたは、よくこんなことを思っているはずです。
「メンタルが強い人間になりたい」
「弱い自分が情けない、こんな自分は嫌だ」
「なんで、こんな性格に生まれ育ったのか。親や学校教育のせい。」
「もしも、不安を感じない、どん感な人間になれたら、楽だろうな~」
などなど・・・今の自分を否定していると思います。もちろん今の時点では、不安を感じることが悪循環になってしまっています。
脳は常に「不安なことを探す」という特性を持っています。これは、
「何か改善点はないか」「こんなことが起きたらどうしよう」「リスクを全部つぶしておきたい」
ということを、無意識に考えています。これが、常に不安が付きまとう原因でもあるのですが、これはものすごく優秀な能力なのです。
この能力を持っているからこそ、今までの人生で「死なずに済んだ」「大惨事にならなくて済んだ」ということが、たくさんあったわけです。
今まで大問題が起こらなかったので、それにあなたが気付いていないだけであって、本当はたくさん助けられたことがあったのです。その能力に感謝を感じてほしいのです。
また、それが「自分の優秀な面である」という事実も、誇りに思ってください。
私の例になりますが、私は資産運用のために昔から金融投資を行っています。
実は、不安障害を患う前は、資産運用の裁量取引ではあまり良い成績が出せていませんでした。(一年間のうち、プラスになる月がほとんど無いレベル)
しかしなぜか、不安障害を患い、それを治していく過程で、資産運用の裁量取引で良い成績が安定的に出せるようになっていったのです。
自分の不安症を認め、それを肯定的にとらえることができるようになってから、「むしろ不安があるからリスク管理が上手くできる」「これは良いことなのではないか」というふうに感じられるようになったのです。
それによって、選別した慎重な取引ができるようなり、マイナスの取引がほとんど無くなり「大儲け」はできないが、「安定した利益」が出せるようになったのです。(一年間のうち、全ての月間成績でプラス収益にできるレベル)
これには、とても驚きました。一時はメンタルがボロボロになり苦しんでいたわけですが、それと引き換えに『自分の不安症を肯定できるようになった』ことで、ビジネスの成績が向上したのでした。
そうなると、さらに自信や自己コントロール感が増して、メンタルも健康も金銭面も、より良くなっていくという好循環になっていきます。
不安は「成長の兆し」である理由
毎日が不安で苦しいと感じるとき、それは決してあなたが弱いからではありません。むしろ、心理学的には「不安」は変化の前触れであり、脳が未知の状況に適応しようとしている証拠です。
人間の脳は、慣れた環境では安心を感じますが、新しい挑戦や価値観の変化に直面すると、扁桃体が反応して「不安」という感情を生み出します。これは危険を察知するための本能的な反応であり、決して異常ではありません。
たとえば、転職を考えている人が「この選択は間違っていないか」と悩むのは、未来に向けて自分を変えようとしているからこそです。
新しい人間関係や役割に適応するには、脳が多くのエネルギーを使い、感情的な揺れが起こります。これは「成長痛」とも呼ばれ、心理的な筋肉が鍛えられている状態です。
苦痛と成長の関係を示す心理学的理論
心理学では「ポスト・トラウマティック・グロース(PTG)」という概念があります。これは、困難や苦痛を経験した後に、人が精神的に成長する現象を指します。
PTGの研究によれば、強いストレスや不安を経験した人ほど、人生の意味や人間関係の価値を深く考えるようになり、結果的に自己理解が深まる傾向があります。
また「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」という理論では、人は困難な状況を乗り越えることで「自分にはできる」という感覚を育てます。
つまり、不安や苦痛を感じながらも行動を続けることが、自己肯定感の土台になるのです。
不安を感じる具体的な場面とその意味
以下は、日常でよくある「不安で苦痛な場面」と、それが成長に繋がっている理由です。
・新しい職場でうまく話せない → 社会的スキルを再構築している最中
・人前で話すのが怖い → 自己表現力を高める訓練中
・SNSで他人と比べて落ち込む → 自分の価値観を見直す機会
・将来が不安で眠れない → 人生の方向性を模索している証
これらはすべて、あなたが「現状に甘んじず、より良い自分になろうとしている」からこそ起こる感情です。苦痛は、変化の中で生まれる自然な副産物なのです。
不安を成長に変えるための具体的な方法
不安をただ耐えるのではなく、成長の糧にするためには、いくつかの方法があります。
・ジャーナリング(感情の記録)→ 毎日感じた不安や気づきをノートに書くことで、感情の整理が進みます。
・3-3-3グラウンディング法 → 今この瞬間に意識を戻すためのワーク。目に見えるもの・聞こえる音・触れている感覚を3つずつ挙げる。
・安心リストの作成 → 自分が安心できる人・場所・物をリスト化し、心が揺れたときに見返す。
・「不安の声」と対話する→ 不安を否定せず、「どうしてそんなことを言うの?」と優しく問いかけることで、感情の根を探る。
これらの方法は、心理療法でも使われている実践的なワークです。継続することで、脳の安心回路が強化され、不安に対する耐性が高まります。
不安を感じる自分を責めないこと
多くの人が「不安を感じる自分はダメだ」と思いがちですが、それは誤解です。不安は、あなたが真剣に生きている証です。
何も感じない人は、変化を避けているか、感情を麻痺させている可能性があります。むしろ、毎日不安を感じる人ほど、人生に向き合っているのです。
心理学者ロバート・サポルスキーの研究によれば、人間の脳は外部刺激がなくても不安を生み出す構造になっており、それを「なくそう」とするほど逆に強く意識してしまう傾向があります。
これは「シロクマ実験」と呼ばれる有名な実験でも証明されています。
苦痛の中で育つ「新しい自分」
苦痛の中にいるとき、人は「もう無理かもしれない」と感じます。しかし、その瞬間こそが、内面の変化が起こっているタイミングです。
たとえば、長く続けた仕事を辞めた直後は不安でいっぱいになりますが、数ヶ月後には「自分らしい働き方」を見つけていることもあります。
これは「アイデンティティの再構築」と呼ばれ、人生の転機において人は自分の価値観や生き方を見直すようになります。苦痛はその再構築を促す触媒なのです。
まとめ:不安はあなたの味方
「毎日が不安で苦痛」と感じるあなたへ。 それは、あなたが変化の中にいて、成長しようとしている証です。
不安は敵ではなく、あなたの人生を深めるためのサインです。
感情を否定せず、優しく受け止めながら、少しずつ自分のペースで進んでいきましょう。
その先には、今よりもしなやかで、強く、優しいあなたが待っています。
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