なんとなく気持ちが重い日が続いたり、心がざわついて落ち着かないとき。 そんなときこそ、毎日の小さなメンタルワークが、あなたの心をそっと支えてくれます。
ここでは、無理なく続けられる方法を紹介します。 安心できる習慣を少しずつ積み重ねていくことで、心はゆっくりと整っていきます。
毎日のメンタル系ワーク
本書の【身体編 】の中でも、「毎日やると良いワーク」を解説しました。
身体編のワークとしては、脳や体全体の健康に良い内容でしたが、「そのセルフケア(自己愛)を続けることで、それが潜在意識の書き換えにも良い効果がある」というお話もしてきました。
もちろん身体編のワークを続けるだけでもメンタルの改善に良いのですが、やはり直接的に「潜在意識を書き換える毎日のメンタルワーク」も大切です。
ここでは、「毎日やると良いメンタルワーク」を解説します。
さて、本書内で解説してきたのは、重要なマインドセットであったり、インナーチャイルドの癒し、母親との対話、不安のルーツを探す、不安を深掘りしてドン底まで行き切ってみるワーク、などを解説してきました。
それらは基本的には、「一回は必ずやって、その後も時々見返してほしい」というものでした。
ですが、潜在意識の書き換え方法で重要なのは、「ポジティブな反復」でしたね。あなたの心身がダメージを負ってしまった原因は、「毎日のネガティブな反復」のせいでした。
毎日の「ネガティブな反復を止めて」、「ポジティブな反復を続けて」、潜在意識を書き換えてあげる必要があります。
両方をお話しますが、「ネガティブな反復を止める」というのは、あくまで対処療法になるのと、それが難しいからあなたが悩んでいるわけですので、あまり完璧は求めず、意識だけしてください。
いっぽう、「ポジティブな反復を続ける」というのは、対処療法とは違って、わりと機械的に毎日のルーティンとして取り入れることができて、簡単ですし、毎日続けることで効果もしっかり得られます。
さて、ではまず「毎日のネガティブな反復を止める」という方法からです。これについては、すでにたくさんお話してきたものもあります。
例えば
「不安やネガティブな思考は、あなたを守るための本能であり、脳のプログラムです」
「その能力があったからこそ人類は生き残り進化できた、あなたも今日まで生きてこれました」
「だから、あなたは弱い人間でもなければ、ネガティブな性格なわけでもないです」
「不安やネガティブ思考は、あなた自身じゃないから、切り離して受け止めてあげてください」
「不安やネガティブ思考は、大切な人生の時間とエネルギーを無駄にしてないか?と自分に問いかける」
「過去の失敗は、経験であり成長であり、未来の成功につながるというメリットがある」
「未来への不安も同じく、もし失敗や苦しいことがあっても、それは貴重な経験であり、成長や成功に変わる」
というお話をしてきました。
その他の方法としては、
・ネガティブなニュースは絶対に見ない
・ネガティブな環境から離れる(物理的に離れるのが無理なら、「自分は自分・他者は他者の価値観がある」と思考を切り離す)
・他者のキラキラ系のSNSは絶対に見ない
以上のことを私は意識しています。
ですが前述したように、「ネガティブな反復を止める」というのは、あくまで対処療法になるのと、それが難しいからあなたが悩んでいるわけですので、あまり完璧は求めず、意識だけしてください。
いっぽう、下記のような「ポジティブな反復を続ける」というのは、対処療法とは違って、わりと機械的に毎日のルーティンとして取り入れることができて、簡単ですし、毎日続けることで効果もしっかり得られます。
毎日ポジティブな反復を続けて潜在意識を書き換えるメンタル系ワーク
以下の二つを、毎日のルーティンにしてください。
(1)将来の夢・目標・生きる目的を紙に手書きして、それを毎日見ながらイメージする
(2)ご先祖様への感謝の言葉を毎日、口に出して言う
まず(1)を解説します。別冊の【⑥生きる目的バイブル】を特典としてお付けしていますし、本書の中でも抜粋して解説しました。それを元に、あなたの『将来の夢・目標・生きる目的』を明確にしてください。
そして、それを紙に手で書きます。
例えば、パソコンやスマホに文字を打ち込んだり、写真を貼ってビジョンボードを作る、などの方法もありますが、それらでは潜在意識が本気になりません。
あなたが自分の手で書くことで、はじめて、潜在意識はあなたの本気度を理解し、重要なものとして意識の中に深く刻み込まれます。
そして、それを一番目に付く場所に置いてください。また、同じ内容の物を複数の場所に置いても良いです。
私の場合は、パソコン仕事ですし、プライベートでもパソコンを多用しますので、デスクトップPCのモニターの下にその紙を貼っています。
一日の中で、その紙を自然と何度も何度も目にしますので、その度に文字を読み、夢の成功をイメージします。
書き込む「夢・目標・生きる目的」の注意点ですが、
あいまいな書き方にしないこと、できるだけ具体的にして、数字も入れ、願望ではなく決断の表現にしてください。
例えば、「お金持ちになりたい」「ボランティアをやりたい」ではなく、
「1億円を貯金し、自宅と日本庭園を作る」「年収1億円を達成し、めぐまれない子供達のために無料のレストランを作り、運営していく」という書き方にし、自宅や庭園を頭の中でイメージし、そこでどういうふうに過ごし、自分がどういう感情で幸せなのか・・・
レストランやメニューや子供たちの笑顔をイメージし、自分がどういう感情で幸せなのか・・・
具体的に、もっと具体的に。深掘りして、もっと深掘りして。
細かく、たくさんの情景をイメージしてください。
イメージするだけでも楽しいですし、幸せですし、ポジティブな気持ちになっていきます。そして、スポーツのイメージトレーニングと同じように、成功する確率や実現する度合いが格段に上がります。
これはすでに、科学的に証明されていることです。毎日この反復を続けることで、確実に潜在意識がポジティブに書き換わっていきます。
メンタルも良くなりますし、新しいアイディアや発想も出てきますし、行動力も上がっていきます。
(※夢や目標が大きすぎてネガティブになってしまう場合は、本書内の対処法や【⑤フォロー編】をご覧ください)
(2)ご先祖様への感謝の言葉を毎日、口に出して言う
こんな方法をお話すると、だいたいは以下の二つのパターンで反抗があります。
「こんなに苦しい人生を与えられて、感謝なんかできるわけないでしょ」
「おまじないか?オカルト的で意味なんてあるの?」
というものです。私もそうでしたので、そのお気持ちは良く分かります。ですが、抵抗しても必ず最後に残ります。最後には必ず、ここにたどり着きます。
そして、これを続けている時期はメンタルの調子が良く、止めてしまうとメンタルの調子が悪くなってしまうことを、私が身をもって体験したのです。
まず、この時代の日本に生まれたこと自体が大変恵まれています。
衣・食・住、インフラ・福祉・医療サポート、ネット環境・情報、自由などに恵まれています。これが例えば、独裁の貧困国家や戦争状態の国に生まれたらどうでしょうか。
「食べるものがない、着る服もない、住む家もない、ネット環境も正確な情報もない」
「独裁者や権力者の言うことを聞かなければ、拷問を受けたり殺される」
あるいは、
「生まれつき目が見えない、耳が聞こえない、両手両足が無い」
地球上には、それらのような環境・条件で生まれてくる人々が多数います。あなたは、恵まれた環境で生まれ育った、ほんの数パーセントの中に入っているのです。数パーセントの恵まれた環境で生きているのです。
それは間違いなく、ご先祖様のおかげです。ですので感謝します。
「ご先祖様、生かしていただき、ありがとうございます」
「ご先祖様、お守りいただき、ありがとうございます」
この二つの言葉を、一日のスタートで必ず口に出して言ってください。頭の中でつぶやくのではなく、必ず声に出して言うことです。そして言いながら、必ず両手の手の平を合わせて合掌してください。
起床時に、お布団の中で言っても良いですし、シャドーウォーキングの前のお茶の時間に言っても良いです。私の場合は、一日の中で何度も言う日もあります。
最初は、感謝の気持ちが無くても良いです。とりあえずルーティンで、口に出して言ってみてください。
そうして続けていくと、おもしろいもので潜在意識というのは、その感謝の根拠を探し続けて情報を集めてくれるのです。そしてそれを顕在意識のほうにも上げてくれるんですね。
「後から感謝に気付く」と言ってもいいです。
毎日続けていくと、感謝できるありがたい要素がドンドン浮かび上がってきて、本当に感謝できて幸せな気分になり、不安が消えて落ち着けるようになっていきます。
また、【②身体編】でもお話したように、「姿勢や行動を脳が見て反応し、幸せホルモンが分泌される」という要素もあります。
ということで今回は、以下の二つの「メンタル系ルーティンワーク」を解説しました。
(1)将来の夢・目標・生きる目的を紙に手書きして、それを毎日見ながらイメージする
(2)ご先祖様への感謝の言葉を毎日、口に出して言う
【②身体編】の毎日のルーティンワークと合わせて、必ず毎日続けるようにしてください。
メンタルワークとは何か
メンタルワークとは、心の健康を保ち、感情のバランスを整えるために行う日々の習慣や思考のトレーニングのことです。身体の筋肉を鍛えるように、心も日々の積み重ねによって強く、柔軟に育てることができます。
特に現代社会では、情報過多や人間関係のストレスによって、心が疲弊しやすくなっています。そのため、意識的にメンタルワークを取り入れることが、心の安定や自己肯定感の向上に繋がります。
メンタルワークには、瞑想やジャーナリング(書く習慣)、感情の棚卸し、ポジティブ心理学に基づく習慣など、さまざまな方法があります。
ここでは、毎日続けやすく、効果が実感しやすいルーティーンを具体例とともに紹介しながら、理論的な背景も交えて解説していきます。
朝のメンタルセットアップ:感情の方向づけ
朝の時間は、1日の感情の流れを決める大切なタイミングです。起きてすぐにスマホを見るのではなく、まずは自分の内側に意識を向ける習慣をつけましょう。
おすすめは「3分間の静かな呼吸」と「今日の気分チェック」です。呼吸を整えることで、自律神経が安定し、心拍数や血圧も落ち着きます。
これは「腹式呼吸」が副交感神経を優位にすることが知られており、緊張や不安を和らげる効果があります。
気分チェックでは、「今の気分は何点か」「どんな感情があるか」を簡単にメモします。これにより、自分の感情に気づく力(メタ認知)が高まり、感情に振り回されにくくなります。
心理学では「感情ラベリング」と呼ばれ、感情を言語化することで脳の扁桃体の活動が抑制され、冷静さを取り戻す効果があるとされています。
午前中の集中力を高める:意図的な行動選択
午前中は脳の前頭前野が活発に働く時間帯であり、思考力や判断力が高まっています。この時間に「意図的な行動選択」を行うことで、自己効力感が育まれます。
具体的には、「今日やるべきことを3つだけ書き出す」「その理由を一言添える」ことが効果的です。これは「実行機能」を鍛えるワークであり、脳のタスク管理能力を強化します。
また、行動の理由を添えることで、目的意識が明確になり、モチベーションが持続しやすくなります。これは「自己決定理論」に基づいており、人は自分で選んだ行動に対して、より深い満足感を得る傾向があります。
小さな選択でも「自分で決めた」という自己決定感が、心の安定に繋がります。
昼の感情リセット:マインドフルネスと身体感覚
昼食後は、エネルギーが低下しやすく、感情も不安定になりがちです。この時間帯には「マインドフルネス」と「身体感覚への意識」が有効です。
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向ける瞑想法であり、過去や未来への思考から離れる訓練です。
たとえば「5分間、食後のコーヒーの香りに集中する」「歩くときに足裏の感覚に注意を向ける」といった簡単な方法でも効果があります。身体感覚に意識を向けることで、思考の暴走を防ぎ、感情の波を穏やかにすることができます。
これは「ソマティック・エクスペリエンス」と呼ばれる心理療法の考え方にも通じており、身体と心のつながりを意識することで、トラウマや不安の軽減に役立ちます。
参考→マインドフルネスとは何か?メリットとデメリット・実践方法
夕方の振り返り:感情の棚卸しと承認
1日の終わりには「感情の棚卸し」と「自己承認」の時間を持つことが重要です。これは、心の中に溜まった感情を整理し、自己肯定感を高めるためのメンタルワークです。
具体的には「今日感じた感情を3つ書き出す」「その感情が生まれた出来事を簡単に記録する」「自分に対してねぎらいの言葉をかける」といった流れです。
このワークは「エモーショナル・プロセッシング」と呼ばれ、感情を意識的に処理することで、心の疲労を軽減します。
また、自己承認の言葉(例:「今日もよく頑張った」「少しでも前に進めた」)は、脳内の報酬系を刺激し、幸福感を高める効果があります。
これはポジティブ心理学の「感謝と承認の習慣」にも通じており、継続することで自己肯定感が安定していきます。
夜のメンタルクールダウン:安心感と睡眠準備
夜は心と身体を休める準備の時間です。ここでは「安心感を育てる習慣」が大切になります。おすすめは「安心リストの確認」と「未来への小さな希望の記録」です。
安心リストとは、「自分が安心できるもの・場所・人」を書き出したリストであり、寝る前にそれを眺めることで、心が落ち着きやすくなります。
また、「明日楽しみにしていることを1つ書く」ことで、未来へのポジティブな期待が生まれ、睡眠の質も向上します。
これは「希望理論」に基づくアプローチであり、人は希望を持つことで、ストレス耐性が高まり、回復力(レジリエンス)が強化されることが分かっています。
眠る前に安心と希望を感じることで、深い睡眠と心の回復が促されます。
毎日のルーティーンを続けるためのコツ
メンタルワークは、続けることで効果が現れる習慣です。最初から完璧を目指すのではなく、「できることを少しずつ」「気持ちよく終われる範囲で」行うことが大切です。
たとえば、すべてのワークを毎日やるのが難しい場合は、「朝と夜だけ」「週に3回だけ」など、自分の生活に合わせて調整しましょう。
また、記録を残すことで習慣化しやすくなります。ノートやアプリを使って、感情や気づきを記録することで、自分の変化に気づきやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。
さらに、時々振り返って「どんな感情が減ったか」「どんな気づきが増えたか」を確認することで、自己成長を実感できます。
まとめ:心の筋トレとしてのメンタルワーク
メンタルワークは、心の筋トレのようなものです。毎日少しずつ積み重ねることで、感情に振り回されにくくなり、自己肯定感や安心感が育まれていきます。
朝の呼吸と気分チェック、昼のマインドフルネス、夜の感情の棚卸しと安心リストなど、どれも短時間でできるものばかりです。
大切なのは「自分の心に優しく向き合うこと」。完璧を求めず、少しずつでも続けることで、心は確実に変化していきます。
あなた自身のペースで、心のケアを習慣にしていきましょう。
それが、日々の安心と回復力を育てる第一歩になります。
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