あなたが「メンタルの問題」で悩んでいる時に、他の誰かがメンタル強そうに見えると「あの人はどうやって感情をコントロールしているのだろう」って思いますよね。
そんな時に、米大リーグで活躍された投手、山本由伸さんのメンタルコントロール法を知ることは、大いにヒントになると思います。
彼もまた“普通の人”で、緊張や不安、失敗と向き合いながら強くなってきた人です。
ここでは、彼がどのようにメンタルを整えてきたか、具体的な手法や成長の歴史を丁寧にお伝えします。あなた自身の感情にも優しく語りかける気持ちで読んでみてください。
山本由伸さんのメンタル・コントロール手法
ひとつずつ積み上げる意識
山本さんがよく口にする言葉に、「一つずつアウトを取ることに集中した」というものがあります。あるインタビューで、相手バッターにホームランを許した直後に「切り替えて、アウトを一つずつ取ることにフォーカスした」と語っています。
これはつまり、「過去の失敗や次の大きな場面」ではなく、「今このひとつ」に意識を集めるということです。
メンタル的には、未来への不安や過去の後悔に引きずられず、目の前の小さな目標(1球、1アウト、1回の集中)に切り替えるという手法です。これを日々の試合のなかで繰り返していることが、彼の強さの一つです。
リセット&繰り返しのサイクル
さらに山本さんは、「“リセット → 実行(フォーカス) → 繰り返し”」というサイクルを自分の中で構築しています。インタビューでは、被弾や不運な当たりが出ても「リセットして、自分の投球に集中した」と述べています。
これは、誰でも経験する「ミスをしてしまった」「思い通りにならない」という状況で、止まってしまうのではなく、意識的に「今から切り替える」と決めることを意味します。
そして、「目の前の次のひとつ」に全力を注ぐ。感情が揺れた瞬間を見逃さず、動きを止めない。
こうした手法が、プレッシャーの中でも平常心を保つ鍵になっています。
呼吸・身体感覚・集中のトリガー
また、メンタルの土台として「呼吸」「身体感覚の確認」「集中オンのスイッチ」が山本さんの中で無意識に働いているようです。
例えば、彼はインタビューで「自分のリズムを確立し、ゲームのテンポを自分で作った」と語っています。
身体がざわついたり、呼吸が浅くなったりした瞬間に「あ、今自分が揺れているな」と気づく。そして「深く息を吸って」「自分の動き・股関節・足の裏」など“いつもの動き”に意識を戻す。
こうして“今この姿勢・この動き”に戻ることで、心の揺れを最小化しています。
私たちも「今、自分の呼吸はどう?足の裏はどう触れてる?」と自分を観察してあげることで、感情の波を少しずつ落ちつかせる練習になります。これはマインドフルネス手法と共通していると思います。
参考→ マインドフルネスとは何か?メリットとデメリット・実践方法
失敗の受け入れと次への準備
山本由伸さんはデビュー時にとても厳しい体験をしました。強い期待の中で立ち上がりの1イニングで5失点という苦いスタートを切りました。
しかし彼はその場で「どう直すかを知っている」と前を向いていました。そして、その“修正”と“次への準備”を怠りませんでした。
このように、失敗を「終わり」ではなく「次の一歩のための材料」と捉える姿勢も、彼のメンタル強化につながっています。
私たちにとっても、感情のコントロールでうまくいかないと感じたとき、「なぜうまくいかなかった?次どうする?」と優しく自分に問いかけることが、前進に繋がるヒントです。
山本由伸さんのメンタル強化の歩み
日本での下積みと成長期
山本さんは日本のプロ2年目から頭角を現し、3年連続で三冠王・最優秀投手賞を受賞するなど、実績を積みました。
この時期、彼は“勝つこと”“スタートを決めること”を当たり前に求められ、身体だけでなく心の折れにくさも鍛えられていました。若くして結果を出す一方、強い期待とプレッシャーも抱えていたはずです。
例えば、打たれた試合や逆境の試合も「恥ずかしい」「嫌だ」という思いを内に秘めながら、翌登板に向けて体調・球種・コースの確認を徹底していたと伝えられています。こうして、小さな積み重ねが「大一番で動じない」心を育ててきたのです。
海外移籍・変化の時期
2024年に米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースに移籍。環境・言語・プレーのリズムすべてが変わる中、彼のメンタルには改めて試練が訪れました。デビューでの苦しい結果もその一つでした。
その中で彼は「慣れによる油断」「未知との遭遇」「メディア・ファンの期待」という三つの重みを受け止めながら、「いつも自分がやってきたことに戻る」意識を強めました。
つまり、“海外でも自分のルーティン”“自分の集中法”を持ち込んだのです。それが結果として、メジャーでの大舞台での安定感につながっています。
大舞台・レギュラーシーズン/ポストシーズンでの確立
そして、彼は米大リーグのレギュラーシーズンだけでなくポストシーズンでも大きな活躍を見せました。例えば「被弾直後に『切り替えて自分の投球に集中した』」と語るなど、試合の流れが悪くなっても自分をコントロールする姿勢が報じられています。
こうした“即時に心を整える力”が、普通の人がメンタルで悩んだときに見習える部分です。「あ、今つらい」「うまくいかない」と感じた瞬間に、意識的に「切り替え」のスイッチを押すこと。山本さんはそれを何度も実践してきたのです。
あなたに向けたメンタルケアのヒント
あなたがもし「感情の揺れ」「不安」「焦り」と向き合っているなら、山本由伸さんのメンタルコントロール方法からこんなヒントを取り入れてみてください。
今この一歩にフォーカスする
「先のことを考えすぎて動けない」「過去のことを引きずってしまう」・・・そんなとき、まずは「目の前でできる小さなこと」「今やるべきこと」にだけ意識を向けてみてください。山本さんが「アウトをひとつずつ」と言ったように。
たとえば「深く息をする」「椅子の座り方を整える」「ノートを一行書く」など、ほんの一つでも“今すぐできること”に集中することで、気持ちの波が少しずつ落ち着きます。
リセット&繰り返しを習慣に
「失敗してしまった」「うまくいかなかった」という時、自分を責め続けると、心が疲れてしまいます。代わりに「ま、大丈夫。次やろう」と自分に言って、意識的にリセットしてみましょう。
山本さんがおこなっている「切り替え→集中→繰り返し」のサイクルです。
どんなに小さな“切り替え”でも構いません。感情が動いたら「今変える」ことを、習慣としていくことで、揺れた気持ちが戻りやすくなります。
身体感覚に戻る習慣を持つ
心が揺れているとき、私たちは「頭の中だけ」でぐるぐる考えてしまいがちです。そんな時は「身体」に意識を戻すことがおすすめです。例えば「足の裏の感覚」「肩の力の入り具合」「呼吸の速さ」など。
山本さんが述べているように、身体がリズムを取り戻すと、心もそれに引っ張られて整いやすくなります。深呼吸を3回する、肩をゆるめる、視線を少し下げて座る・・・など、こうした“身体リセット”は感情の整理にもつながります。
参考→ マインドフルネスとは何か?メリットとデメリット・実践方法
失敗を次の材料に
私たちは失敗を「自分のダメな部分」と捉えがちですが、山本さんのように「次どうするか」の視点を持つと視界が変わります。
まず「何が原因だったか」「どうしたら次いいか」を優しく考えてあげましょう。
そして、次の小さな一歩を決めてみてください。「今日は●●を意識しよう」「明日は▲▲に挑戦しよう」・・・その意思が、メンタルの回復力を育てます。
最後に・・・
「メンタル」と聞くと、特別な何かを想像してしまうかもしれません。でも、実際には、心の“切り替え”“フォーカス”“身体とのつながり”を日々少しずつ整えていくことが、揺れにくい心をつくるのです。
山本由伸さんも、華やかな舞台で活躍する裏で、こうした地道な“心の鍛錬”を続けてきました。
あなたが今、迷いや不安の中にいると感じても、それはあなたが“気づいている”証です。
自分を責めずに、「今できること」「切り替えること」「身体に戻ること」を少しずつ取り入れてみてください。心地よく揺れる感情も、少しずつ落ち着きを取り戻していけるはずです。
あなたの生活の中で今「揺れている感情」や「不安になりやすい場面」を一度整理してみて、山本由伸さんの手法を応用できる“あなた流のメンタルケアルーティン”を考えてみましょう。
(当サイトの情報は医療行為に代わるものではありません。詳細は免責事項と注意事項をご確認ください。)






