『減っていく・失っていく』現実を受け入れ執着を捨てないと地獄のまま

『減っていく・失っていく』現実を受け入れ執着を捨てないと地獄のまま

何かを失ったとき、心がぽっかり空いてしまうような感覚に襲われることがあります。 それはとても自然なことで、あなたの心が大切なものを守ろうとしていた証です。

でも、その痛みがずっと続いているなら、少しずつ手放す方法を知ってほしいのです。 執着をやさしくほどいていくことで、心は少しずつ自由になっていきます。

このページでは、そんなあなたのために、安心して読める方法を丁寧にお伝えします。


 

『減っていく・失っていく』ことに執着するから苦しくなる

例えば、以下のように、二人の違ったパターンの人がいるとします。

Aさん:元々は1億円を持っていたが、毎年1,000万円ずつ減っていき、今は4,000万円が残っている

Bさん:元々は貯金がゼロだったが、毎年50万円以上を貯金できるようになり、今は貯金が300万円になった

という二人のパターンがあったとします。今の時点での貯金額を比較すれば、Aさんは4,000万円、Bさんは300万円ですから、Aさんのほうが圧倒的にお金は持っているわけです。

 

では、『幸福度』は、どうだと思いますか?

これは実際にいらっしゃった実例なのですが、Aさんは『減っていく・失っていく』ことが不安でしかたがなく、苦しんだあげく、自殺してしまったのです。

これは想像上のお話ではなく、実際に、自殺者に多くいらっしゃるパターンなのです。

現時点では、お金も・健康も・家族も・衣食住も、『あるにもかかわらず』『減っていく・失っていく』現状を悲観して、

「これからもドンドン減っていくのではないか」「全て失ってしまうのではないか」と不安になり、その不安がドンドン膨らんで苦しくなっていくのです。

 

いっぽうBさんは、もともと、何も失うものがないドン底で、ゼロの状態だったわけです。

ですので、少し何かを続けるだけで好転していき、それがほんの少しの成果だったとしても、楽しく嬉しく、未来にも希望が持てるのです。

 

人生で起ってしまった悲劇そのものは、タイムスリップして変えることはできません。

例えば、

・大金を失ってしまった
・人間関係が壊れてしまった
・家族やペットや自分が、老いて死んでしまう
・勤めていた会社が倒産してしまった、リストラされてしまった
・自分の子供が、自分の理想とは全然違う道に進んでしまった
・大切にしていた物が壊れてしまった、無くしてしまった

など、これらの事実自体は、自分の努力だけではコントロールできないものです。

 

コントロールできないことなのに、自分の期待や想像と違う結果になったことを思考が処理できず、苦しみ・悲しみ・怒り・不安が湧きおこります。

現実に起こっている事実が受け入れられていない、あるいは脳の処理が追い付いていけないことでストレスになり、苦しくなります。

つまり、あなたのストレスや苦しみは、あなたの思考が作っているのです。


 

『減っていく・失っていく』現実を受け入れ、『ゼロスタート』を思い出し、今あるものに感謝し、成長を喜ぶ

「そんなの分かっているよ!」「それができないから苦しんだよ!」と言いたくなります。私もそう思いながら、長く苦しみました。

ですが結局は、そこにたどり着くしか、道はないのです。どんなに「嫌だ!失いたくない!取り返したい!受け入れることなんてできない!」とダダをこねていても、道は開けませんでした。

『良い意味で』あきらめて、

「もう、なるようにしか、ならん」

「もともとは、ゼロで生まれて来たんだから」

「もともとは、何も持っていなかったんだから」

「どうせ死ぬんだから・・・天国へは何も持って行けないんだから」

と開き直り、執着を捨てたら、楽になりました。

 

ですが、最初から「そうしよう!」と意識して、それが出来たわけではありませんでした。抵抗し、あらがい、何度も何度も考え、色んな方法を模索し、

「反抗してみたけどダメだった」

「消去法でそれが残った」

「それしかもう道が無かった」

その結果、『良い意味で』あきらめて、「もう、なるようにしか、ならん」と開き直り、執着を捨てて楽になることができたのです。その心理にたどり着くまでは、時間も必要です。

最後は必然的にそうなりますので、そうなるまでドン底に落ちて苦しむことも、必要な経験だったのです。

 

ドン底を受け止めて、ゼロスタートを思い出したら、あとはもう好転していくだけです。

少し何かを続けるだけで好転していき、それがほんの少しの成果だったとしても、ものすごく楽しく嬉しく感じるようになります。

それによって、自己コントロール感・自己肯定感・自己愛が高まり、潜在意識がポジティブに書き換わっていくのです。

 

そうなると、現状も幸せに感じることができますし、未来にも希望が持てるようになり、人生の目的や夢が新たに見つかったり、思い出したりしていきます。毎日が充実していきます。

ちゃんとそうなっていきますので、今は心配しないで、あせらず本書の内容をコツコツ続けていきましょう。大丈夫です。


 

減っていく現実に苦しむ心の仕組み

人は誰しも、何かを「持っている」ことで安心感を得ています。健康、若さ、愛情、仕事、財産、人間関係・・・それらがあることで、自分の価値や人生の意味を感じられるからです。

しかし、人生とは「減っていく」「失っていく」ことの連続でもあります。年齢を重ねれば体力は衰え、親しい人との別れも訪れます。仕事や社会的地位も永遠ではありません。

こうした現実に直面したとき、私たちは「執着」によって苦しみを深めてしまいます。

執着とは、過去の状態や理想の形にしがみつく心の動きです。「あの頃に戻りたい」「失いたくない」「変わりたくない」と願う気持ちは自然ですが、それが強すぎると、現実とのギャップに苦しみ続けることになります。

まるで、すでに沈んだ船の残骸にしがみついて溺れていくようなものです。


 

具体例:老化と美への執着

たとえば、若さや美しさに強く執着している人がいます。年齢を重ねるにつれて、肌のハリが失われ、体型も変化し、周囲の注目も減っていく。

すると、「昔のように見られたい」「老けたくない」という思いが強くなり、過剰な美容整形や無理なダイエットに走ることもあります。

結果として、身体や心を痛め、さらに自己否定が深まるという悪循環に陥ります。

このようなケースでは、「若さが価値である」という思い込みが苦しみの根源です。現実は変化しているのに、心が過去にとどまり続けることで、今の自分を受け入れられなくなってしまうのです。


 

執着が生む「地獄」とは

仏教では、執着が苦しみの原因であると説かれています。執着とは「手放せない心」であり、それがある限り、現実の変化に適応できず、常に不満や恐れに苛まれます。

これが「地獄のまま」という状態です。地獄とは、炎が燃え盛る場所ではなく、心が燃え続ける状態を指します。失うことへの恐怖、変化への抵抗、過去への執着・・・それらが心を焼き尽くすのです。

この地獄から抜け出すには、現実を受け入れ、執着を手放すことが必要です。これは「諦め」ではなく、「智慧」です。

変化を自然なものとして受け入れ、今あるものに目を向けることで、心は穏やかさを取り戻します。


 

理論的な背景:仏教心理学の視点

仏教心理学では、人間の苦しみは「三毒」と呼ばれる心の働きから生じるとされます。三毒とは「貪(むさぼり)」「瞋(怒り)」「痴(無知)」です。

執着は「貪」にあたり、もっと欲しい、失いたくないという欲望が苦しみを生みます。現実がその欲望に応えてくれないとき、怒りや悲しみが生まれ、心が乱れます。

また、「無常」という概念も重要です。すべてのものは変化し、永遠に同じ形を保つことはありません。無常を理解し、受け入れることができれば、執着は自然と薄れていきます。

これは理論ではなく、実践によって体感されるものです。


 

実践的な対処法:執着を手放すためのステップ

執着を手放すには、以下のようなステップが有効です。

・現実を見つめる:今、自分が何を失ったのか、何に執着しているのかを明確にする

・感情を認める:悲しみや怒りを否定せず、感じ切ることで癒しが始まる

・価値観を見直す:「それがなければ幸せになれない」という思い込みを問い直す

・新しい意味を見つける:失ったものの代わりに、今の自分にとって大切なものを探す

・手放す練習をする:小さなことから手放す経験を積み、心の柔軟性を育てる

これらは一朝一夕でできることではありませんが、少しずつ実践することで、心の重荷が軽くなっていきます。


 

もう一つの例:人間関係の喪失

親しい人との別れも、執着による苦しみを生みます。たとえば、長年連れ添ったパートナーを亡くした人が、「あの人がいない人生なんて意味がない」と感じることがあります。

思い出が美しければ美しいほど、現実の喪失が耐えがたくなります。

しかし、ここでも「失ったこと」だけに目を向けるのではなく、「共に過ごした時間の意味」や「今の自分にできること」に意識を向けることで、少しずつ心が癒されていきます。

執着を手放すとは、忘れることではなく、感謝とともに前を向くことなのです。


 

減っていくことは、空白ではなく余白

「減っていく」「失っていく」ことは、何もない空白ではありません。それは、新しい何かが入ってくるための余白でもあります。

たとえば、仕事を失ったことで、自分の本当にやりたいことに気づく人もいます。人間関係が変化したことで、自分自身と向き合う時間が生まれることもあります。

執着を手放すことで、心にスペースが生まれます。そのスペースに、新しい価値や喜びが入ってくるのです。

これは、減ることが「終わり」ではなく「始まり」であることを教えてくれます。


 

まとめ:執着を手放すことは、自分を解放すること

「減っていく・失っていく」現実は、誰にとっても避けられないものです。しかし、それに執着するかどうかは、自分自身の選択です。

執着を手放すことで、心は自由になり、現実と調和した生き方ができるようになります。

それは、地獄から抜け出す道であり、穏やかで柔らかな心を取り戻す旅でもあります。

今の自分を受け入れ、変化を恐れず、手放す勇気を持つことで、人生はより深く、豊かなものへと変わっていくのです。

 

サイトマップ
不安症・うつ病の治し方
3年間も精神病院に通院し、薬を飲み続けても治らなかった不安障害・うつ病が、たったの5分で大好転し、3カ月で復活した方法を解説します。

 


(当サイトの情報は医療行為に代わるものではありません。詳細は免責事項と注意事項をご確認ください。)