「自分が本当にやりたいことが見つからない…」そう感じているあなたは、決して怠けているわけでも、迷ってばかりいるわけでもありません。
多くの人が同じ場所で立ち止まり、不安や焦りを抱えながら答えを探しています。今は見えなくても、心の奥には必ず“あなたなりの方向性”が眠っています。
このページでは、無理に答えを出そうとせず、気持ちを大切にしながら少しずつ見つけていく方法をお伝えします。安心して、あなたのペースで読み進めてください。
やりたいことが分からない自分を責めないでください
やりたいことが見つからないと、「自分には軸がない」「意志が弱い」と責めてしまう人がいます。しかし、本当はとても繊細で、慎重で、真剣だからこそ簡単に決められないのです。
もし、今まで頑張ってきたことがあるのなら、それだけでも十分です。たとえ途中で辞めたとしても、「違うと感じた」という大切な気づきを得ています。それは決して無駄ではありません。
あなたはすでに、自分に合わないものを見極める力を少しずつ育てている途中なのです。
遠回りをしながらも少しずつ自分の方向性を見出していける
「自分が本当にやりたいことが見つからない」と感じているとき、心の中では不安や焦り、そして少しの自己否定が静かに重なっていることが多いものです。
周りが前に進んでいるように見えたり、「やりたいことを仕事にしている人」の話を聞くたびに、自分だけが取り残されているような気持ちになることもあるかもしれません。
でも、まず最初に知っておいてほしいのは、その悩みを抱えていること自体が、とても真面目で、人生を大切に考えている証だということです。
やりたいことがすぐに見つかる人は、実はそれほど多くありません。多くの人は、迷いながら、立ち止まりながら、遠回りをしながら少しずつ自分の方向性を見出していきます。
今、答えが出ていないからといって、あなたの人生が遅れているわけでも、失敗しているわけでもないのです。
やりたいことが見つからないのはおかしいことではありません
「何者かにならなければいけない」「本当にやりたいことを早く見つけないといけない」そんな言葉に、知らないうちに心を追い立てられてはいないでしょうか。
やりたいことが見つからない状態は、決して異常ではありません。むしろ、選択肢が多く、情報が溢れている今の時代だからこそ、迷ってしまうのは自然なことです。
例えば、学生時代に明確な夢があった人でも、大人になってから「本当にこれでよかったのだろうか」と悩むことがあります。反対に、特に目標を持たずに過ごしてきた人が、ある出来事をきっかけに進みたい道を見つけることもあります。
人生は一直線ではなく、気持ちも環境も変化していくものです。
焦りが強いほど、答えは見えにくくなります
やりたいことを見つけようとするとき、焦りは一番の妨げになります。「早く決めなければ」「周りに遅れている」と思えば思うほど、心は緊張し、本来感じ取れるはずの小さな違和感や好きを見逃してしまいます。
たとえば、「この仕事は向いているだろうか」と考えるとき、本当は少し苦しいと感じているのに、「せっかく続けてきたから」「安定しているから」と自分の気持ちに蓋をしてしまうことはありませんか。
逆に、「これがやりたいことかもしれない」と感じても、「現実的じゃない」「才能がないかも」とすぐに否定してしまうこともあります。焦りは、心の声をかき消してしまうのです。
やりたいことは、強い情熱として現れるとは限りません
多くの人が、「やりたいこと＝強烈な情熱や明確な夢」だと思い込んでいます。しかし実際には、やりたいことはもっと静かで、控えめな形で存在していることが少なくありません。
たとえば、「なぜかこの作業をしていると落ち着く」「頼まれると断れないけれど、終わった後に少し満足感がある」「気づくと同じ話題の記事を読んでいる」といった感覚です。
これらは一見すると些細なことですが、あなたの心が自然に向いている方向を示している場合があります。最初から大きな目標や仕事に結びつけようとしなくても大丈夫です。
今までの人生に、方法のヒントは隠れています
やりたいことを見出す方法の一つは、これまでの人生を優しく振り返ることです。うまくいかなかった経験や、続かなかったことも含めて、そこには必ず意味があります。
たとえば、「人前で話すのは苦手だったけれど、少人数で相談に乗るのは嫌いじゃなかった」「競争の激しい環境はつらかったけれど、裏方で支える役割は落ち着いた」といった違いに気づくことがあります。
好き嫌いを無理にポジティブに変換しなくても構いません。「これは苦しかった」「これは少し楽だった」という感覚を丁寧に拾っていくことが、あなたに合った方法を見つける第一歩になります。
小さな方法を積み重ねることが安心につながります
やりたいことを見つける方法は、一気に答えを出すことではありません。小さな行動や、気持ちの変化を確認しながら進んでいくことです。
たとえば、興味のある分野の本を一冊読んでみる、気になる人の話を聞いてみる、短時間だけ新しいことに触れてみる。それだけでも十分な一歩です。
大切なのは、「これで正解かどうか」を判断することではなく、「やってみてどう感じたか」を大事にすることです。心が少し軽くなったか、逆に強く疲れたか、その感覚こそが次の選択を助けてくれます。
本当にやりたいことが見つかり人生が充実した人たちの事例
「自分が本当にやりたいことが見つかれば、人生やメンタルは自然と良くなっていくのだろうか」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
ここでは、やりたいことが分からず悩んでいた状態から、自分なりの方向性を見つけ、心が軽くなっていった三人の事例をご紹介します。
特別な才能や劇的な成功ではなく、ごく普通の人が少しずつ変化していった過程です。あなたの気持ちにそっと寄り添いながら読んでみてください。
Aさんのケース：立ち止まることで心が回復した
Aさんは30代前半の会社員でした。仕事は真面目にこなしていましたが、「このまま何十年も同じことを続けるのだろうか」という不安が常に頭から離れず、次第に眠れなくなっていきました。やりたいことが見つからない自分を責め、「自分には情熱がない」と感じていたそうです。
あるときAさんは、無理に答えを出すのをやめました。休日に何もしない時間を意識的につくり、心が落ち着くことを優先したのです。すると、昔から文章を書くのが嫌いではなかったことを思い出しました。最初は日記のような短い文章を書くだけでしたが、「書いていると少し安心する」という感覚に気づいたそうです。
その後、副業や目標に直結させることはせず、ただ書く時間を大切にしました。やりたいことが明確になったわけではありませんが、「自分には落ち着ける場所がある」と感じられるようになり、不安や自己否定が大きく減っていきました。Aさんにとっての改善は、答えを見つけたことよりも、心が回復したことだったのです。
Bさんのケース：違和感を認めたことで人生が動き出した
Bさんは20代後半で転職を繰り返していました。どの仕事も続かず、「自分は何をやってもダメなのではないか」と落ち込む日々を送っていました。周囲からは「飽きっぽい」「根性がない」と言われ、その言葉が心に深く刺さっていたそうです。
そんなBさんが変わるきっかけになったのは、「違和感を無視しない」と決めたことでした。これまでBさんは、少しでも苦しいと感じる自分を甘えだと思い、無理に我慢してきました。しかし振り返ってみると、人と競い合う環境や数字を追う仕事に強いストレスを感じていたことに気づいたのです。
一方で、誰かの話を聞いたり、相談に乗ったりする場面では、不思議と疲れにくい自分もいました。その感覚を大切にし、サポート寄りの仕事に少しずつ関わるようになると、「自分はここにいてもいい」という安心感が生まれました。
やりたいことがはっきり言葉にできなくても、自分に合わないものを手放したことで、人生とメンタルの両方が安定していったのです。
Cさんのケース：小さな好きが自信につながった
Cさんは40代で、長年家庭と仕事に追われてきました。「自分の人生なのに、自分のために何かをした記憶がない」と感じ、虚しさを抱えていました。やりたいことを考えようとしても、何も思い浮かばず、「もう遅いのではないか」と諦めかけていたそうです。
そんなCさんが始めたのは、昔好きだったことを思い出すことでした。学生時代に、静かな場所で手作業をするのが好きだったことを思い出し、簡単なクラフトに触れてみました。上手でも効率的でもありませんが、「時間を忘れて没頭できる」感覚が久しぶりに戻ってきたのです。
その体験を重ねるうちに、Cさんの表情や気持ちは少しずつ明るくなりました。人生が劇的に変わったわけではありませんが、「自分には大切にしたい時間がある」と感じられるようになり、自己肯定感が回復していきました。やりたいことは、大きな目標でなくても、心を支える力になるのだと実感したそうです。
やりたいことは人生を立て直す支えになります
三人に共通しているのは、「無理に答えを出さなかったこと」「自分の感覚を否定しなかったこと」です。やりたいことが見つかったから幸せになったのではなく、自分の気持ちを大切にする方法を見つけたことで、人生やメンタルが改善していきました。
今、やりたいことが分からず苦しんでいるあなたも、決して間違っていません。小さな安心や、少し心が軽くなる感覚を積み重ねていくことで、自然と道は見えてきます。
焦らず、あなたのペースで大丈夫です。
では、ここからより詳しく専門的に解説していきます。
本当にやりたいことが見つからない原因・本心をジャマするものとは
「自分が本当にやりたいことが見つからない」と悩む背景には、性格の弱さや努力不足ではなく、誰にでも起こり得る共通した原因があります。多くの場合、本心がないのではなく、本心に気づけない状態になっているだけです。
この文章では、やりたいことが見えなくなる仕組みと、本心をジャマしている要因を専門的な視点で整理しながら、具体例を交えて解説していきます。
やりたいことが見つからない状態の正体
まず理解しておきたいのは、「やりたいことがない」のではなく、「やりたいことを感じ取れない状態」に陥っているケースが非常に多いという点です。
人の意思決定は感情と認知の影響を強く受けますが、その両方が慢性的なストレスや思考の偏りによって鈍くなっていると、自分の本心を正確に捉えることができなくなります。
例えば、常に将来の不安を考えている人は、「何が好きか」よりも「何が安全か」「失敗しないか」という視点で物事を見るようになります。
この状態が続くと、やりたいことを考えているつもりでも、実際には不安回避の選択肢しか思い浮かばなくなっていきます。
原因その１：他人の期待や評価が判断基準になっている
やりたいことが見つからない大きな原因の一つは、判断基準が自分の内側ではなく、他人の評価に置かれていることです。これは心理学でいう外発的動機づけが強くなりすぎている状態です。
具体例として、「親が安心する仕事を選ばなければ」「周りからすごいと思われたい」「失敗したらどう思われるか不安」といった思考が常に先に立つと、本心の声は後回しにされます。その結果、自分の選択がすべて他人基準になり、「本当は何がしたいのか」が分からなくなっていきます。
この状態では、やりたいことを考えようとしても、「それは現実的か」「評価されるか」というフィルターを無意識に通してしまうため、純粋な欲求が浮かびにくくなります。
原因その２：不安や恐怖が思考を支配している
不安が強い状態では、脳は危険回避を最優先に働きます。そのため、新しい選択肢や未知の可能性を考える余裕がなくなります。これは神経科学的にも説明でき、扁桃体の過剰な活性化により、前向きな意思決定を担う前頭前野の働きが抑制されるためです。
例えば、「やりたいことを見つけたい」と思っていても、頭の中では「失敗したらどうしよう」「生活できなくなったら困る」という思考が繰り返されます。この状態では、やりたいことは常にリスクとして認識され、自然と避ける対象になります。
結果として、「やりたいことが分からない」のではなく、「やりたいと思う前にブレーキがかかっている」状態が続いてしまいます。
原因その３：過去の否定的経験が影響している
過去に否定された経験や失敗体験は、本心を抑え込む強い要因になります。特に、やりたいことを口にしたときに否定された経験は、「本音を出すと傷つく」という学習につながります。
例えば、子どもの頃に「そんなことしても意味がない」「現実を見なさい」と言われた経験があると、大人になってからも同じ思考パターンが無意識に再生されます。その結果、やりたいことを考える前に、自分自身で否定するクセが身についてしまいます。
この場合、やりたいことが見つからないのではなく、本心が表に出る前に自動的に打ち消されているのです。
原因その４：思考過多による感覚の鈍化
現代では情報量が非常に多く、「正解探し」に時間を使いすぎることで、自分の感覚が分からなくなる人も増えています。これは認知的過負荷の状態であり、思考が多すぎて感情を感じ取れなくなっている状態です。
例えば、「向いている仕事診断」「適職チェック」「成功者の共通点」などを調べ続けても、かえって混乱することがあります。知識は増えても、「自分がどう感じるか」という主観的な感覚が置き去りにされてしまうのです。
やりたいことは論理だけでは見つかりません。思考ばかりを使っていると、感覚が麻痺し、本心が分からなくなります。
原因その５：やりたいことの定義が極端になっている
「やりたいこと＝一生をかける使命」「強烈な情熱を感じるもの」といった極端な定義も、本心をジャマする原因になります。このような定義を持っていると、少しの興味や好奇心は「やりたいこととして不十分」と判断され、候補から外されます。
例えば、「そこまで好きというほどではない」「趣味レベルかもしれない」と感じた瞬間に、「これは違う」と切り捨ててしまうケースです。しかし実際には、多くの人のやりたいことは、小さな関心や心地よさの積み重ねから形作られていきます。
定義が厳しすぎると、本心が入り込む余地がなくなってしまいます。
本心をジャマする要因を整理する
ここまでの内容を整理すると、本心をジャマする主な要因は次のようにまとめられます。
・他人基準で判断している
・不安や恐怖が強い
・過去の否定的経験が残っている
・考えすぎて感覚が鈍っている
・やりたいことの条件が厳しすぎる
これらは単独ではなく、複数が同時に影響していることがほとんどです。そのため、「やりたいことが見つからない」という悩みは、非常に知的で真面目な人ほど抱えやすい問題でもあります。
やりたいことを見つける前に必要な視点
専門的な観点から見ると、やりたいことを探す前に重要なのは、「本心をジャマしている要因を減らすこと」です。答えを無理に探すよりも、ブレーキを緩めることで、自然と見えてくるものがあります。
やりたいことが見つからない状態は、欠陥ではありません。むしろ、環境や思考の影響によって一時的に見えなくなっているだけです。この仕組みを理解することで、「自分はおかしいのではないか」という不安は、理論的に手放すことができます。
この先では、これらの要因をどう扱い、本心に近づいていくかをより具体的に解説していますが、まずは「見つからない原因が明確に存在する」という事実を知るだけでも、心は大きく整理されていきます。
本当にやりたいことを見出す方法・解決策
「自分が本当にやりたいことが見つからない」と悩む人は非常に多く、その背景には心理的・認知的な要因が複雑に絡み合っています。重要なのは、やりたいことを無理にひねり出すことではなく、見えなくなっている本心を回復させ、自然に浮かび上がらせるプロセスを踏むことです。
ここでは、理論と具体例を交えながら、やりたいことを見出すための方法と解決策を専門的に解説していきます。
やりたいことは探すものではなく回復させるもの
まず前提として理解しておきたいのは、「やりたいこと」は新しく作り出すものではなく、多くの場合すでに内側に存在しているという点です。
心理学的には、人の欲求や関心は生得的に備わっており、後天的な環境や経験によって抑圧されることがあると考えられています。
例えば、長期間ストレスの強い環境にいると、感情を感じ取る力そのものが弱まり、「何が好きか分からない」「何をしてもピンとこない」という状態になります。この場合、必要なのは答え探しではなく、感覚を取り戻すための調整です。
解決策その１：安心できる状態を先に作る
やりたいことを見出すための最初の解決策は、心理的安全性を確保することです。不安や恐怖が強い状態では、脳は生存モードに入り、好奇心や内発的動機づけが働きにくくなります。
具体的には、次のような状態が整っているかを確認します。
・生活リズムが大きく崩れていない
・慢性的な睡眠不足がない
・常に自分を責め続けていない
・将来への不安が過剰に膨らんでいない
例えば、「今すぐ人生の答えを出さなければいけない」と思い詰めている人は、それだけで思考が硬直します。やりたいことを考える前に、「今は考えなくても大丈夫」という余白を意識的に作ることが、本心へのアクセスを回復させます。
解決策その２：嫌だったことから逆算する
やりたいことが分からない場合でも、「やりたくないこと」「苦しかったこと」は比較的思い出しやすいものです。これはネガティブな経験の方が記憶に残りやすいという心理特性によるものです。
例えば、過去の仕事や人間関係を振り返り、次のように整理します。
・競争が激しい環境がつらかった
・指示待ちの役割が苦痛だった
・人前で評価され続けることが負担だった
・時間に追われる働き方が合わなかった
これらはすべて、本心が発していた重要なサインです。やりたいことは、「好き」からだけでなく、「避けたいもの」の反対側に存在しているケースが多く、この逆算は非常に有効な方法です。
解決策その３：小さな快・不快を言語化する
やりたいことが見えない人の多くは、自分の感情を大きな言葉で捉えようとしすぎています。しかし本心は、「楽しい」「幸せ」といった強い感情ではなく、「少し楽」「なんとなく落ち着く」といった微細な感覚として現れることが多いものです。
具体的には、日常の中で次のような問いを自分に投げかけます。
・これはやっているとき、体は緊張しているか
・終わったあと、どっと疲れるか、静かに満たされるか
・義務感と自然な集中のどちらが強いか
例えば、誰かの相談に乗った後に疲労よりも静かな満足感が残る場合、それは重要な手がかりです。このような小さな感覚を言語化することで、本心は徐々に輪郭を持ち始めます。
解決策その４：思考と感覚を分けて扱う
専門的に重要なポイントとして、「考えること」と「感じること」を分ける必要があります。やりたいことが見つからない人ほど、感じる前に考えてしまう傾向があります。
例えば、「これをやりたいかもしれない」と感じた瞬間に、「現実的ではない」「向いていないかもしれない」と分析が始まると、感覚はすぐに消えてしまいます。この場合、次のような段階分けが有効です。
・第一段階：感じたことを否定せずメモする
・第二段階：良し悪しを判断せず並べる
・第三段階：現実性の検討は後回しにする
このプロセスにより、本心が途中で遮断されるのを防ぐことができます。
解決策その５：やりたいことの定義を現実的にする
多くの人が、「やりたいこと」を人生を賭ける使命や情熱的な天職として捉えすぎています。この定義自体が、見出すことを難しくしています。
専門的な視点では、やりたいことは次のように再定義できます。
・長時間関わっても消耗しにくいこと
・多少うまくいかなくても完全には嫌にならないこと
・繰り返しても受け入れられること
例えば、「完璧に好きではないが、この作業は嫌ではない」という感覚は、十分にやりたいことの候補になります。この定義の調整だけで、選択肢は一気に広がります。
解決策その６：行動は検証として行う
やりたいことは、頭の中で確定させるものではなく、行動によって検証されるものです。これは行動科学の観点からも重要で、人は行動後の感情によって価値判断を更新します。
具体的には、次のようなスタンスが有効です。
・正解を決めるために動かない
・合うかどうかを確かめるために動く
・やめても失敗と考えない
例えば、興味のある分野に短時間触れてみて、「思ったより疲れた」「意外と続けられた」という反応を見るだけでも十分なデータになります。
解決策その７：本心を邪魔する要因を定期的に外す
やりたいことを見出すプロセスでは、不安、他人の期待、過去の否定的経験が繰り返し邪魔をしてきます。そのため、一度見えたとしても、定期的にブレーキを外す作業が必要です。
例えば、「これは本心か、それとも不安回避か」「これは自分の感覚か、他人の期待か」と問い直すだけでも、軌道修正が可能になります。
やりたいことは結果として見えてくる
専門的に見ると、やりたいことは目標というより、状態の副産物です。心が安定し、感覚が回復し、選択を検証できる状態になると、自然と方向性が浮かび上がってきます。
見つからないこと自体が問題なのではなく、見つからない状態を続けてしまう思考や環境が問題なのです。
方法と解決策を理解し、一つずつ実践することで、「やりたいことが分からない」という悩みは、構造的に解消可能なものへと変わっていきます。
潜在意識が考え続けてくれる
本当にやりたいことを自分で考えていると、なかなか答えが出ず、あせったり面倒くさくなったりして、
ついつい、「模範解答や良い例はないんですか？」と聞きたくなります。
ですが、ここで他人の例を聞いてしまうと、本当の自分が思っていることと違う方向に引っ張られてしまいます。それが一番危険です。
近道をしようとして、「本当にやりたいことの例」を知ることが、実は逆に遠回りになってしまうので、それは基本的に止めてください。
直ぐに答えが出なくても、自分と対話すること自体にも、「癒し」や「思考の整理・統合」という、とても大きな意味があります。
また、一度自分と向き合って問いかけると、もしそこで答えが出なかったとしても、無意識に潜在意識が考え続けて探してこようと機能しますので、あきらめたりガッカリされないで、自分との対話や問いかけを日々続けることが重要です。
本当の自分が本当に思っていることならば、何だって良いんです。
犯罪行為などはもちろん論外ですが、人からどう見られるかなど気にしないで、本当の自分の素直な純粋な気持ちを聞いてあげてください。
ダサくても良いし、カッコ悪くても良いんです。
本当の自分が喜びや幸せを感じるならば、それで良いんです。
ちまたのメンタルコーチさんや指導者さんと呼ばれる方の中には、よくこう言う方がいます。
「お金や物が欲しいというような生存欲求ではダメだ！」とか「人から認められたいというような承認欲求ではダメだ！」
そして
「自己実現欲求にしなさい！」というようなものです。
ですが、私は何でも良いと思っています。
人それぞれ価値観が違います。立場も違います。経済状況や家庭環境も違います。
今この瞬間、本当に経済的・環境的・人間関係で危険な状況にある場合は、まずはそこから解放されることを最優先にし、それが出来た時点でまた新たな『本当にやりたいこと』を見出せば良いと思っています。
また、同時に２個・３個持っても良いと思いますし、将来的に増えても変わっても良いと思っています。
いずれにしても、本当の自分が思っていることと違う場合は、
いったんは「これだ！」と思ってやってみたり続けていくうちに、あるいは毎日考えているうちに、「なんだか違うような気がする・・・」と、またモヤモヤしてきます。
ですので、
違ってたら違ってたでまた戻ってきますので、あまり細かい事は気にしないで、毎日毎日、本当の自分と対話を続けてほしいのです。
本当の自分が思っていることが、「結局は最後には残る」のですから。
それでも、どうしても何も湧いてこない、何も気づきが無い、という場合には、読書はおすすめです。動画やマンガなどではなく、シンプルな文字の本です。（写真はあっても良い）
そのほうが、自分のペースで考えながら読み進めることができるからです。
なるべく、いろんなジャンルが良いです。直接的に「本当にやりたいこと」が書かれたような本ではダメです。それでは本当の自分に気づけず、他人の感覚に引っ張られてしまうからです。
近道を探そうとすると、余計に迷って遠回りになってしまうので要注意です。
趣味的な本も良いですし、ビジネス書も良いですし、政治・経済・金融でも良いですし、世界のお仕事とか、雑学とか、ボランティアなどもヒントになるかもしれません。
公的な図書館に行けばいろんなジャンルの本が無料で借りられますので、無理に買ったりせず、気軽に借りて自宅でゆっくり読んでみてください。
本質は、「本当の自分を思い出す・本当の自分に気づくこと」ですので、他人の感覚に引っ張られないように気を付けてください。
あくまで、「本当の自分を思い出す・本当の自分に気づく」ためのヒントが本の中にあるかも・・・視野を広げる・・・という程度の感覚で読んでください。
「こんなに世界は広いんだ、色んな可能性があるんだ、自分の視野が狭かったな～」と気づくために本を読む。という意味です。
表面的なポジティブ思考・楽天的思考は逆に危険
「不安になったり、ネガティブな自分を捨てて、ポジティブになりたい」とあなたは考えていると思います。
かつての私もそうでした。
しかしその思考は、実は逆にとても危険であると、私の経験で気が付きました。（他の人を見てもそう思います）
例えば、「投資・ギャンブル・自分でビジネス」をする場合に、失敗（破産）する人はどういったタイプの人だと思いますか？
私がネガティブな時は、投資で失敗した際には、落ち込んで疲弊して寝込んでしまっていました。
それはとても辛く、苦しい状況です。
一方で、常にポジティブ思考で元気モリモリの時はどうでしょうか。
失敗しても辛いわけでもなく、またすぐにチャレンジして→また失敗して→またチャレンジして・・・の繰り返しが可能です。
これは、一見すると良い事のように見えます。
確かに、そのチャレンジによって大きなお金や大切な時間を失わないのであれば、それはそれで良いわけですが、「投資・ギャンブル・自分でビジネス」においては、そうはいきません。
特に「投資・ギャンブル」で失敗した場合は、大きなお金を一瞬で失うことも普通にあります。
それでも積極的に続けて繰り返してしまうのです。
ポジティブな時・ポジティブな人というのは、実は破産しやすいのです。
破産して初めて、自分の愚かさや間違いに気づくのです。
でも、それではもう遅いのです。
ネガティブなくらいに慎重で謙虚なほうが、物事がうまくいき、自信が付き、幸福感が増していきます。
ネガティブで地味な自分を嫌ってしまう傾向があなたにもあるかもしれませんが、そんな時は本書を思い出してください。
本当の自分を思い出し（ネガティブでも良い）、慎重で謙虚に物事を進めたほうが上手くいきますし、それが自信になり、幸福感で満たされるのです。
もちろん、「どうせ成功しないだろう」と、何もしないという意味のネガティブではいけません。
単なる無謀な楽天家ではなく、慎重かつ、想定できる落とし穴を積極的に考えながら計画的に進めましょう。という意味です。
人生の目的は新たに見つかる物もあれば、過去にあった物にもう一度気付き直す場合もある
本当にやりたいことは、これから新たに知って色々な経験をしたり勉強することで発見していく物と、過去にすでに経験した物が改めて評価される場合の二通りがあります。
前者は、まだ人生経験が少ないお若い方に多いでしょうし、後者はすでに人生で色々な経験を積まれてきた年配者に多いでしょう。
もちろん、そこも変に固定したり思い込みがあってはいけません。
お若い方でも、子供のころの経験がとても印象的で強く残り、それが活きる場合もありますし、ご年配の方でも、これから新しく経験することが天命として感じられる場合もあります。
ですので、
「本当にやりたいこと早く見つけなきゃ！」とあせってほしくないのです。
毎日考えてもなかなか見つからないので、それで余計に自信を無くしてしまい「やっぱり自分はダメなんだ・・・」と思ってほしくないのです。
これからたくさん経験したり知っていく中で見つかっていくものですし、本書のワークを続けることで明確になっていく場合もありますし、
過去に自分がしていた事を、「やっぱり自分にはこれが合っていたんだ」と気付く場合もあります。あえて他の事をしたからこそ、本当の自分に改めて気付いた、ということです。
さらに言うと、
本当にやりたいことは一つでなくても良いですし、これから変わったとしても良いんです。
本当にやりたいことは、一つよりも二つあったほうが、より楽しく幸福感が増します。
最初に見つけたやりたいことよりも、より強い目的が見つかってそれに移行したって良いのです。
「カッコ良さ・世間体・見栄・人からどう見られているか」を捨てる
『自分が本当にやりたいことを見つける』となると、
「カッコ良い目的じゃないと、なんだか恥ずかしい」とか、「人の役に立たなければいけない」とか、人からどう見られているかを考えてしまいがちです。
でも、それも捨ててかまいません。
純粋に、本当の自分を思い出し、自分の心に従って良いんです。
本当の自分に逆らって考えたやりたいことでは、長くは続きません。ストレスがどんどん蓄積し、また脳のダメージが戻ってきてしまいます。
見栄・世間体など一切捨てて、本心を貫いて表現してみてください。
あなたが生き生きと満たされるだけでなく、それを必ず必要としてくれる人・喜んでくれる人がいます。
例えば、
「ゲームして遊んでいるだけ」では一般的には世間体は良くないですし、カッコ悪いですが、ゲーム好きな人からすれば、それを見て楽しんでくれるし共感してくれるわけです。
それで良いんです。
それをSNSで配信して、お金を得て生活している人もいます。それが出来る良い時代になったのです。
生きていく道は何通りでもあるのです。
99人に嫌われても、1人に好かれたら大成功！
ビジネスや広告業に携わったことがある方なら、もしかしたら分かっていただけるかもしれませんが、
例えば、まったくの新規客100人に、ある商品の広告を出したとします。
99人は買わず、たった1人だけが買ってくれたとします。
この場合、購入率は1％です。
ビジネスの経験が無い人からすると、
「100件広告出して、たった1件しか売れないの？！」
「購入率がたったの1％なの？！」
とバカにするかもしれませんが、実はビジネスの世界では、全くの新規客に広告を出して購入率1％というのは、すごく良い結果なのです。
でもその現実を知らないと、あるいは承認欲求が強すぎると、ガッカリ悲観して終わりです。
しかし、現実を受け止め、承認欲求を捨てると、素晴らしい結果として感じることができます。
あなたが本当の自分を思い出し、「本当にやりたいことだ。これをやるんだ」と決めたなら、もしつまずいた時には、どうかこのお話を思い出して頑張って続けてほしいと思います。
最後に：今は見えなくても、必ず道はつながっていきます
今この瞬間、やりたいことがはっきりしていなくても、人生が止まってしまうわけではありません。迷っている時間も、悩んでいる時間も、すべてがあなたの人生の一部です。
そして、その積み重ねが、後になって「あの時間があったから分かった」と思える日につながっていきます。
ここでは、まず心を休ませ、安心しながら自分と向き合うための方法をお話ししました。
無理に答えを出そうとしなくて大丈夫です。
あなたのペースで、あなたの方法で、少しずつ進んでいけばいいのです。
（当サイトの情報は医療行為に代わるものではありません。詳細は免責事項と注意事項をご確認ください。）
